戻るTOPへ

 

機動戦士ガンダム00感想
ガンダムの串ダンゴオー 第9話

前回のあらすじ:マリナ、盗撮される。

9話冒頭は、ロックオンの墓参りから始まります。ガンダムマイスターは、ピンクカーディガン眼鏡のようにソレスタルビーイングの本懐を遂げる事だけを至上とする者ばかりではない事が判りますね。ガンダムシリーズは戦争モノですから、当然人死にがあり、時には葬儀や墓のシーンが描かれます。SEEDを例に挙げれば、アスラン、イザーク、ディアッカはニコル達の墓参りをしていますし、ユニウスセブンは丸ごと墓標(追悼施設)になっています、デス種で落とされたけど。
これまでいくつもの墓標をうち立ててきたガンダムシリーズですが、私が印象的なのは2つあります。VガンダムとガンダムXです。

Vガンダム39話「光の翼の歌」。主人公のウッソ君は、停戦監視中に遭遇した敵と戦闘状態に陥り、ガンダムで倒してしまいます。

「妻と子を迎えたい土地に光の翼が飛ぶ。
 その翼をゲリラどもが作っているとは…。
 お前たちが来なければ娘たちは平和な土地で暮らせたのだ」

「なに?ぼくらは停戦監視のために来ているだけなんですよ!」
「白い奴を2機も引き連れた反乱分子が何を言うか」
「もう戦争は終わっているんです。戦う事なんてないんですよ。
 しっかりして下さい!」
「子供がこんなところで何をしているんだ…
 ここを新しい故郷にしようと思ったのに。
 貴様たちの大人どもがめちゃめちゃにしてくれた…ぐ(息絶える)」


家族を迎えて静かに暮らそうとしていたマチス・ワーカーの命を奪ってしまった。これだけでもかなり鬱になるのですが、40話「超高空攻撃の下」ではその家族がウッソ君の前に現れ、子供に石とか投げつけられます。鬱展開の極(きわみ)です。しかも、最後にはその墓へウッソ君が自ら案内するという超鬱展開。

「その手前から9番目が…(マチスさんのお墓です)」
「あ………う………く………
 あの親切なお兄ちゃんがお父さんのお墓を教えてくれたわ」

「え、パパの?」
「やっぱりあいつが殺したんだ!」
「パパを殺した人がパパのお墓を教えてくれる訳がないでしょう。
 そういうふうに簡単に人を悪者みたいに言うことはなりません」


恐らく全てを承知した上でウッソを責めなかったワーカー婦人。気丈に振る舞っていても、墓標の前で留めることが出来なかった嗚咽に、ウッソの心はえぐられます。黒富野すぎるわ!

ガンダムX15話「天国なんてあるのかな」は、ガンダム乗りのウイッ・スーとロアビィ・ロイ(CV:山崎たくみ)が故郷に戻る回。ロックオンと容姿が似ている(かも)ロアビィはあちこちで恋人を作っているイケメンなのですが、彼にガンダムを譲ってくれた「本命」は既に亡くなっていた……というお話だったとさ。数話単位で章構成されるガンダムXではかなり珍しい独立回なので、印象深いです。このガンダムレオパルドに乗っていた女性の存在は後半への伏線だったのかもしれませんが、39話打ち切りになったため、明らかになることはありませんでした。どういう経緯でガンダムを受け継いだのか…、興味は尽きません。

墓には、過去や眠り、停滞、転じて未来、などの暗示がありますが、ロックオンの過去も単純ではないようです。木陰からロックオンを見つめる男は一体何者なのか? 何故ロックオンとうり二つなのか? 次なる謎を残しつつ、時間は流れます。ソレスタの活動の所為で、行動制限も多いだろうに、墓参りなんて行ってて大丈夫なのかしら? それともリアルIRAの活動凍結やラ・イデンダ壊滅によって、アイルランドは案外平和なのかも。

ラブコメパートにも新たな登場人物が介入してきました。ルイスのママ、ここに来日。新世紀エヴァンゲリオン第8話では、2大ヒロインである惣流・アスカ・ラングレーが来日し、以後の人気は説明するまでもありません。主役は遅れてやって来る。ルイスママも人気出まくりだぜ!(えー
と思ったら、速攻でルイスを帰国させようとするママ。彼女の母親だけあって押しの強さが半端ない。しかし娘も海外留学で成長し、対抗手段を身につけております。咄嗟にサジとの既成事実を暴露し、戦いをイーブンに持ち込みます。何のことか判らない人は、もう一度5話の感想を見てください。



ソレスタの活動を否定する者、理念を肯定する者、世界中が彼らの活動を注視していました。その介入行動たるや4ヶ月で60回。単機行動もあろうかと思いますが、単純に計算すれば2日に1回はソレスタが地球のどこかで暴れているということです、あらゆる紛争に介入しすぎじゃね? それでもモラリア戦以後、それを超える大規模戦闘は起こっていないらしく、諸国行脚に失敗したアザディスタンの王女も国連への支援要請を取り付けたようです。良かった良かったと思いきや、国連大使はダブルオー胡散臭い奴ランキング
で3本の指に入る男、アレハンドロ・コーナーでした。シーリンが今にも暗殺しそうで怖い。絶対ひとりやふたり、ヤってる眼だよこれー。

SEEDのシホ・ハーネンフースがニュースキャスターとして介入してきた。



毎日のように紛争地帯へ介入していれば、GNドライブがいくら無限のエネルギーを生み出そうとも、機体にガタが来ますから、ガンダムといえどメンテナンスの必要があります。例によって軌道エレベータを利用して母艦へ帰還を果たしたガンダム達。人革連の皆さんは、まず管理体制を見直すべきだと思った。
プトレマイオスには限られたスタッフしか乗り合わせていないので、MS整備はロボットにやらせています。名前はダンボー。廃材を利用して作られており、地球環境にも優しいです。中の人なんていません。

他にはハロもいっぱい居ました。ロックオンの持つオレンジハロが上位個体のようで、それ以外は妹のようです。「弟」じゃないのかって? ばかっ、どっから見ても妹でしょうに。これで兄ハロ×妹ハロの同人誌が作られるな…(マテ
これほどカラフルなハロを何個も作る男を我々は知っているはずなのですが、深く追求するのも面倒なのでお察し下さい。

アホラギさんは危機感ないよね。
戦術予報士の彼女も「神」なんて概念を持っているのでしょうか?

アインシュタインが「神はサイコロを振らない」と言って量子力学を批判したのは有名ですが、現在では量子力学が正しいと解ってきています。量子力学の世界では、事象の決定は「確率論」で行われるのですが、アインシュタインは全ての情報さえ揃っていればその先の未来は完全予測できると反論したわけですね。しかし、実際の実験と観測から、全ての事象は予測できない(確率に左右される)ことが確かとなり「神はサイコロを振る」という結論に達しています。

つまり、いくら優秀な戦術予報士が居ようと、
全てを完全予測する事など不可能なわけで───



もともと対立しようとしないユニオン。モラリアでフルボッコにされたAEU。両者が大人しくしている間も、常にソレスタとの対決姿勢を崩さなかったのが人革連の皆さんです。その名も特務部隊・超部(すごいネーミングだ)。彼らは数十万個の通信機を静止衛星軌道にばらまき、通信が途絶えるポイントからガンダムの潜伏位置を特定する作戦にでました。GN粒子の特性を逆手に取ったわけですが、ガンダムが静止衛星軌道に居るという確証はどこにあったのかなぁ? それにしても、通信機数十万個ってどれだけ費用がかかるのやら。仮に宇宙用に処置された携帯電話だと考えて、コストを1個1万円程度とすると、用意するだけで数十億は下らない。おまけに作戦後にちゃんと回収しないと全部デブリだからねコレ。ハッキリ言って、人革連以外はやらないだろうヒドい作戦です。説明台詞で視聴者に作戦を教えてくれるミン副官は、次回大活躍の予定です。ちなみにCVは「大原さやか」の弟、大原崇!



ソレスタだって人間の集まり。トレミー艦内でも人間模様は様々です。体調不良のフェルトに代わって、当直を続けるクリスティナ(22)にアプローチする操舵士リヒテンダール・ツエーリ(21)。好青年ぶりをアピールするも、撃沈。早めに振ってやるのも優しさでしょうが、今言わなくてもよかったんじゃないのかクリス。ところで私服の操舵士って似たような格好になる決まりでもあるんでしょうか。ガンダムXのシンゴ・モリ操舵士も同じ色合いのジャケットを着ていました。まぁ彼はウッソ2号とも言われてたんで、これだけでは判断できませんけれど。
 
ずっと廊下で暇そうにしていたくせに、刹那がパイロットスーツから着替えて食堂に来るまで待ってから、一緒に食事をするパエリア。ちょ、構って欲しいのかこの子? か、可愛いとか思わないんだからね!! メカ説・サイボーグ説も囁かれてたけど、ちゃんと食事は取るんですね。



ひとり涙するフェルト・グレイス。両親の遺志を継いでソレスタルビーイングで戦うのは14歳の少女には困難すぎる道ですが、彼女は優秀でした。だけど、命日には切ない気持ちにだってなるんです。と、ここでロックオン登場。私にはどうにもオプーナのAAにしか見えなくてすいません。ここで放映前から予想されていた黒田洋介の妹脚本が炸裂。仲間内でも秘密にされている本名(ニール・ディランディ)をこっそり教えて秘密を共有するなど、着実に距離を縮めていきます。ロックオンにお兄ちゃん属性が付与されました。10歳年下のローティーンに手を出すとは見直したぞロックオン! ガンダムマイスターのリーダー的存在として、キラ・ヤマトの介入を未然に防いだロッリコン・ストラトスであった。
そこにやはりオプーナAA風味に介入してくるアレルヤ。当然の反応だが、頬を染めすぎです。アレルヤのこういう純なところ、嫌いじゃない。



ラブをコメってる間に、人革さんに見つかったプトレマイオス。操舵士は役にたたねーが、席を外したクリスも悪いような。後手に回りましたが、スメラギ予報士の指示で迎撃体勢を整えるガンダムマイスター達。フェルトと約束を交わすロックオン。彼は、守るべき者を見つけたようです。キノコがどうとか言ってました。

ろくに武装もないプトレマイオスは、ヴァーチェとキュリオスを囮にして発電衛星付近へ逃げ込みます。この一帯は通信ができないため、GN粒子の通信障害から位置を割り出されるのを回避できます(ただし視認は可能)。しかしそれは逆に、ヴァーチェ達との連絡手段も途絶えることを意味していました。ていうか、ガンダムとトレミーは何で通信してるのでしょうね?
本当はデュナメスを陽動に回したかったスメラギさんですが、オーバーホール中で片足が無い&調整不足のために断念。エクシアも遠距離武装が無いので、艦の防御に回します。

スメラギによる陽動作戦を読みきった「ロシアの荒熊」ことセルゲイは、それを逆手にとって、逆陽動作戦を仕掛けます。キュリオスとヴァーチェに戦力を割かず、そちらへは無人の輸送艦を送って中央突破。その後に母艦とガンダムの間に割って入り、個別に狙いを付けます。なんでも18年前の「第四次太陽光紛争」でも使われた戦法だとか。セルゲイの活躍は、戦術の教科書にでも載ってるんでしょうか?

照準がずれて狙い撃てないロッリコン。ロリキャラに動揺して、冷静な操縦が出来ないのは初期のキラ・ヤマトにも見られた現象なので、生温かい目で見守りましょう(種死

「早く来てアレルヤ、わたし死にたくない!」と叫ぶのはクリスティナ。いつものほえほえした空気を失って、すっかりパニックです。しれっとアレルヤの名前が出るあたり、やはり本命なのでしょうか。そのアレルヤさんは、艦へ戻る途中に仕掛けられた機雷群にモロにやられてました。ここまでは、荒熊の作戦が見事に機能しています。戦術予報士の名が泣くぜ、スメラギさん!



「きのこーッ!」
ブリッジに響き渡るフェルトのキノコ宣言が出たところで、以下次回。





第10回へつづく

戻るTOPへ

 

inserted by FC2 system