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機動戦士ガンダム00感想
ガンダムの串ダンゴオー 第18話

前回のあらすじ:ネーナちゅう成功。ルイスちゅう失敗。

絹江・クロスロードは、タクラマカン砂漠で新ガンダムを目撃したというユニオン兵に取材を行います。驚くべきことに、兵士はパイロットの会話も聞いたというのです。『ラグナに報告して』。ラグナとは一体何者なのか。視聴者側としても「黒幕はアレハンドロ・コーナーじゃないの?」と思っていたところなので、ちょっと肩透かし。それにしても、初(?)の実戦なのに、ネーナはリラックスし過ぎではないでしょうか。これが男性向け同人誌の世界だったら、あっという間にユニオン兵に取り押さえられて、後は悲しい物語(えー


イオリア・シュヘンベルグの登場以後、ようやく掴んだCB関係者の名前を手がかりに、絹江は真実に近づこうとしています。しかし、CBほど極秘密裏に運営してきた機関ならば、情報操作はお手の物。目撃者は早々に始末されてしまいました。実行者がCBとは断定できませんが、CB関係者に利するところがある者の仕業でしょう。ユニオン兵は証言内容を軍にも報告してないそうですが、始末者がどうやって情報を知り得たのかは謎です。「新ガンダムを目撃した」という事実については絹江が取材に来るぐらいですから、周囲に言い回っていたのかもしれません。それで消されるって…おい。どちらにせよ、絹江も危険地帯に居る事は間違いありません。このままでは男性向け同人誌の世界のように拉致されて後は悲しい物語……って、そういう絹江本はまだ見かけたことないなぁ(ぉ ち、違うんだからね!別に毎週とらのあなでHな同人誌にチェックいれてるとか、そそそそんなんじゃないんだからね!

ラグナさんの指示に従い、各国家群にある軍事基地を襲撃・破壊していくトリニティ三兄妹。撃墜されたAEU兵が一瞬コーラに見えて焦ったですよ。対空迎撃に出てくるMSをスローネ1号機が撃ち落とし、2号機は地上に降り立ち基地を直接破壊。3号機がGN粒子を広域散布するので、外部との連絡手段を封じられた基地は増援を呼べない……という3連コンボの末に、GNランチャーで全焼却されちゃうから堪りません。圧倒的じゃないか、スローネは! 大規模破壊に興奮状態のネーナさんは、キャッキャウフフ。その表情からは失禁していることが読みとれます。と、こんな事を書いていると、このサイトは失禁ネタが好きなように思われてしまうかもしれません。ですが、10話ティエリアしかり、15話マイスターズしかり。戦場では失禁が付き物なのです、ええそうですとも。そういう事から目を逸らしていては、真の作品理解には至れないのです! 過去の作品を見渡してみると小説版ファーストガンダムでアムロとセイラさんがキャッキャウフフなのは基本として、小説「機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINY」ではユウ・カジマが戦闘中に射精していた事に気が付いて凹んだり、小説「新機動戦記ガンダムW外伝 右手に鎌を左手に君を」では、腐女子に大人気のデュオ・マックスウェル(注:男キャラ)が生理痛に悩まされるという描写があったりするわけです。(ただし後者のガンダムW小説は、キャラ萌えが無いと付いていけない不完全燃焼な内容なので、素人にはおすすめできない罠。前述のBLUE DESTINY共々、皆川ゆか著)

───よし、落ち着こう。
合同軍事演習以後、スローネにフルボッコにされている三国家群は打つ手無し。それまで軍事行動を控えめにしていたユニオン軍にも直接的な被害が出ており、かつては余裕顔だった大統領も険しい表情です。意外にも冷静なのがAEUの英国代表。やられ慣れているというのは悲しいことですネ。達観というか、諦観の域に達してます。

トレミー船内では、スローネ対策会議中。イアン博士が言うには、ガンダムに使用されている技術はほぼ同じ。GNドライヴだけが異なっているようです。「TDブランケット」の有無が、太陽炉と疑似太陽炉(GNドライヴ[T])の差。疑似ドライブにはTDブランケットが無いために活動時間が有限なのだとか。
細かい違いはともかく、CBの情報が漏れているのは間違いない。組織の裏切り者は誰なのか……スメラギさんも気軽にポニテムスカとデートしてますが、無意識な裏切りじゃないのかなーと心配。
加えてティエリアがヴェーダにアクセスできなくなる等の異常も発生。レベル7領域の情報が改竄されているようなのですが……そこにリボンズのカットを被せ、こいつがやりましたって視聴者に教えてくれる親切設計ダブルオー。

さて、新たに登場した用語「TDブランケット」から、太陽炉の特性を推測してみましょう。ブランケットとはそのままの意味では毛布ですが、核融合炉の内壁を指して言う事もあります。核エネルギーの利用は『制御』が最重要ポイントであり、そのためには有害粒子の遮蔽や炉心の冷却がネックとなります。ブランケットは非核分裂性の素材で炉心内壁を覆ってしまうことで、放射性物質を吸収したり、さらに吸収した粒子を利用して核燃料を生産します(2008年現在、後者はまだ計画中)。GNドライヴは太陽炉と呼ばれていますが、必ずしも核融合炉だと決まったわけではありません。ですが幾つかの推論はできます。

1)GNドライヴは、ブランケットで遮蔽しなくてはならない有害物質或いは放射性物質を炉心で生成している可能性がある。
→紅いGN粒子ビームが人体に有害であることは、20話で判明。

2)疑似GNドライヴの活動時間が有限である事から、TDブランケットには、炉心から出る何らかの粒子を吸収した後、再び燃料として用いる半永久的循環サイクルが備わっている可能性が高い。

3)GNドライヴは設計図を入手したからといって、簡単には製造できない(膨大な時間と特定の条件が必要)が、疑似GNドライブは既に30基も建造されていることから、TDブランケットの製造条件が最も厳しいと推測される。製造には、木星圏でなければならない何かがある。木星特有の元素なのか(核融合炉ならば例えば多量のヘリウム3)、木星の巨大な重力なのか(それなら地球上でも圧力をかければ再現できそう)、木星の重力に引き寄せられた宇宙空間の微小粒子の可能性も…。

4)TDブランケットを開放状態にすることで、ガンダムは一種のリミッター解除(?)ができる可能性がある。
→トランザム・システム。ただし機体は紅色になるが、放出されている粒子が必ずしも紅いとは限らない。

5)永久機関、太陽の代わりとなるエネルギー機関が必要とされる場所や条件を考えると・・・逆に言えば太陽が無いような環境とは、即ちGNドライヴの最終使用目的は・・・。


スペイン北部。古城風の建物で、ハレヴィさん家の結婚式が執り行われていました。新郎新婦を祝う人達。ルイスは地球の裏側でもサジの事が気になってめるめる。将来はこんな風にあたしも…な〜んてきゃっ♪というピンク色の幸せ妄想オーラが出ちゃってます。折しもその頃、上空を通過中のトリニティ三兄妹。連戦連勝とはいえ、ラグナから送られてくる過密スケジュールに末妹はお疲れです。そんな彼女にとって、自分の苦労を知らずに楽しんでる人間達は気に障る存在でした。「死んじゃえばいいよ」明確な理由は無く、ネーナ・トリニティの傲慢さが、トリガーを引く───。

一瞬にして蹂躙された式場。肉片となった新郎新婦、パーティ客。何が起こったのかも判らず呆然とするルイスの側に二射目が降り注ぎ、彼女はガレキの下敷きに…。

ハワード・メイスン(享年27)の墓標に献花するグラハム。ハワードが如何に隊長を尊敬し、フラッグを愛していたかをダリルの口から聞いたグラハムは、ガンダム打倒を改めて誓うのでした。「ハワード・メイスンに宣誓しよう。私グラハム・エーカーは、フラッグを駆ってガンダムを倒すことを!!」ところが2ヶ月後にはあっさりバルキリーVF-25Fに乗り換えてるんだから調子いいよね!(番組違

そんな事情で、受難続きのフラッグさんはまだまだ改造されます。亡くなったエイフマン教授に代わって、整備を続けるビリー・カタギリ。トレードマークのポニテが無くなってやがるううぅぅぅ。ダメだろ、大事な個性なんだからー。良いキャラデザインは、シルエットだけで判るモノじゃないと! それから、ビリーが負傷を押して直接整備しなきゃならない理由が不明ですね。『顔をしかめてわざと工具を落とし、グラハムに心配させる作戦』と見た!

整備場内に鳴り響く警報音。アイリス社の軍需工場にガンダムが現れたという情報に、グラハムの中で燻っていた怒りの炎が燃え上がる。(ちなみにアイリス社は、フラッグカスタムのリニアライフルも製造しています)


「グラハム機、先行する!」

「単独出撃なんて無茶だ!」

「そんな道理、私の無理でこじ開ける!!」

何この、どこかスパロボ風な展開はっ(喜

「どれほどの性能差であろうとも!」

トップスピードで現場に到着したフラッグは、スローネアインに突っ込みながら射撃。1vs1ならばガンダム側が有利です。しかしスピードだけならばエクシアより早いというフラッグのアドバンテージを最大に活かし、スピードを落とさぬまま急旋回+グラハムスペシャルで変型するという荒技でスローネに斬りかかります。最大加速を乗せた攻撃で性能差は埋まった───

「今日の私は阿修羅すら凌駕する存在だ!!」

押し切った勢いでビームサーベルを奪い取り、ガンダムの右腕を切断する事に成功しました。(右腕は落下中に爆発。恐らく情報漏洩を防ぐための遠隔操作自爆)

「くぅっ、一矢は報いたぞハワード……ごふっ
プラズマブレードの力押しで勝つ事こそ、ハワードへの手向けになるとグラハムは考えていたのかもしれません。しかしその代償として、強烈な加速Gによって内蔵がずたずたに引き裂かれるのでした。くぅっ、今日のグラハム・エーカーは素直にカッコイイな!刹っちゃんのケツを追いかけ回している時とはひと味違うネ。

相次ぐ民間人の虐殺に、刹那も堪忍袋の緒が切れました。エクシアに乗り込み、飛び出していきました。ロックオンは「おぁっ…刹那!」なんて慌てて呼び止めようとしていますが、こうなるとわかってて焚きつけたくせに〜。

「エクシア、目標を捕捉。3機のガンダムスローネを紛争幇助対象と断定し、武力介入を開始する。エクシア、目標を駆逐する!!」

登場以後、好き放題に振る舞い、戦い、視聴者的にもフラストレーションが溜まっていたので、今回のグラハムや刹那の行動はとても熱くさせられました(演出の成功ですね)。ですが、その影で泣く人々の存在もある事を、降りかかる非日常の残酷さをまざまざと見せつけるのが黒田洋介の鬼脚本。無限のリヴァイアス以来覚悟していたことだけど…。

スペインの病院に駆け込んできたサジ・クロスロード。看護師にぶつかりそうになりながら廊下を駆け抜け、ルイスの病室へ。頭こそ包帯を巻いているものの、元気そうなルイスの姿にサジは安心します。大好きなあの娘に会えた。それだけで舞い上がってしまった少年は「お見舞いってわけじゃないけど…これ」と、ペアリングを差し出します。

「ふふっ、ほら、前にルイスが欲しがってたやつ。試験休みの間にバイトしまくってさぁ、ようやく買ったんだ!受け取って、ルイス!」

病室に入った時からあった、違和感。少女を元気づけようとする少年の空回りした一言一言が、どうしようもなく痛く、切ない。

「きれい…」

やめてくれ。

「…ル、ルイス。僕、ルイスのこと…ルイスのことが!」

たのむ、やめてくれ。

「ごめんね、沙慈……せっかく買ってもらったのに……すごくきれいなのに…………」

やめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめt




「もう、はめられないの……」

そう言ってカーディガンから出した左手は、
手首から先が切断されていた。

それが、違和感の正体。

すぐに左手を隠し、泣き崩れるルイス。

少年が少女にかけられる言葉はなかった。

それどころか、彼女の幸せが詰まっている、
いや、詰まっていたこの小箱が、
最も残酷な形で彼女の不幸を暴いてしまった。



少年は、無力だった───



19回目へつづく

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