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〜前回のつづき〜
 
ガバッ
「いきなり、なにをするんだ!? 君はっ」
「キラタンッ!」
「ううっ……頭痛が。
 誰…なんだ………アス……ン?…ぐっ」
 
そろそろこの捏造伏線、どうにかしないとな。
 
機動戦士ガンダムSEED DESTINY 第39話「天空のキラ」
 
拘束されちゃったロゴスのおじいちゃん達。
最後まで塹壕に隠れて、悪足掻きする気力も無いようです。
ジブリールさんはというと、敬老精神なんか持ち合わせちゃいねーぜと
じじぃを置いて速攻で脱出していたようです。
逃げ足の早さはハンゲルグ・エヴィン(Vガンダム)にも負けないかも。
 
それを聞いたシンは、怒りにふるえます。
「今度見つけたら絶対俺が踏み潰してやる!」
と言いながら缶コーヒーを握りつぶすシン。
MSで生身の人間を殺る気です、それもかなり凶悪なやり方で。
シン・アスカ、恐ろしい子!
 
そのジブリールはオーブに逃げ込んだらしい。なんて迷惑な。
 
地上のゴタゴタが片づいて、とりあえず宇宙はどうなってるのかしら?
ふと思い出したかのように、ピンク戦艦の様子が映されます。
本日も軍備増強にノリノリゴーのラクス様。
 
「デュランダル議長のやろうとしていることの前には、
 (オーブの理念は)ただの障害でしかないだろうと思う」
 
と、具体的理由も無く、言いがかりみたいな考えを披露して下さいました。
そして議長のやろうとしている事とは、
 
「議長は地球、プラントを一つに纏めた
 新しい世界秩序を創ろうとしているのではないでしょうか」
 
と、どんな証拠を掴んだのかも全く説明されないままに、
議長とユニウス7事件のテロリストをごった煮にするピンク様。
脚本の都合上、言う通りなのかもしれませんが……その洞察力さすがですね!(色んな意味で
 
その調査はL4コロニー・メンデルへも及びます。
前作に引き続き、この地には物語の鍵が隠されているようです。
過去のコロニー事故とやらの話も本編では放置されてるけど…。
 
プラント側としては前大戦の後、
廃棄コロニーの事よりも軍備や復興が優先されたってのが自然かしら。
そのせいか空気も抜けて荒れ放題らしいですが、
ダコスタ君の調査によれば、遺伝子研究所のデータは処分されていたそうです。
 
メンデルなんかは「プラント」って言わずに「コロニー」って言葉が使われてるのですねー。
 
その中、唯一残されていたノートにあった「DESTINY PLAN」とは?
そして同僚の残したメモの意味とはなんでしょうか?
 
一瞬しか映りませんでしたが、
まずノートに書かれている図や言葉などを見てみましょう。
幾つかのサークルやグラフなど。
これは現代の遺伝子操作でも用いられている概念・設計図です。
なんとか画面から判別できた言葉を書き出してみると、
 
・ligation of DNA(DNAのライゲーション) 
・recombination DNA(組み替えDNA)
・G*** manipulation ??? possible?(***操作??? 可能?)
・AT>GC
・transformation(形質転換)
 
と、いった用語が得られることから、
DESTINY PLANは遺伝子操作と密接に関係していると推測されます。
 
ATとかGCがDNAの基本4塩基なのは、まぁ常識ですね。
アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)
この4種はその分子構造にプリン環を持つプリン塩基(A,G)と、
ピリミジン環を持つピリミジン塩基(T,C)に分けられ、
(もうちょっと詳しく見ると、ヒポキサンチンやウラシル等も加わりますが)
AとT、GとCが対になるわけですね。この辺は高校生物のレベルでしょうか。
 
このAT/GCの含量は、生物の分類・同定における指標等でも重要です。
二本鎖DNAを加熱すると一本鎖DNAに解離(融解)するのですが、
GC含量が高いと=DNA融解温度が高くなり性質が変わってきます。
その理由は、G≡Cには水素結合が3つある分だけA=Tよりも強く、
それだけDNAの解離にエネルギーが必要になるためです。
 
作中図では、ヒト以外にウマ、ウサギ、ラットなどとの相関が示されており、
AT>GC とAT含量が多い点に注目しているようでした。
だから何だと聞かれたら、それだけじゃあ私にも良く判りませんが。
 
ダコスタの指の右側に見えるサークルは、
遺伝子クローニングで使われるプラスミドの設計図の一部(概念図)です。
プラスミドというのは環状になった低分子DNAのことで、自然界にも存在していますが、
ここでは人工的なDNAベクター(vector;運び屋)としての扱いでしょう。
 
現代の技術では特別な理由がない限り、DNAは大腸菌を用いて増やすのが一般的です。
その際、増やしたいDNAや導入したいDNAを先程のベクター中に組み込み(DNAの組み替え)、
宿主となる大腸菌へ感染させるのですが、
このプラスミドベクターというのは扱いが簡単で、また便利な性質もあります。
プラスミドの設計にもよるのですが、
多くの場合は薬物(アンピシリン、テトラサイクリンなど)耐性を持たせており、
それを利用することで遺伝子操作後の導入成否が判別できます。
つまり、プラスミドベクターを感染させ形質転換した大腸菌は、
目的の遺伝子が正しく導入されている場合=薬物耐性も獲得しており、
菌を殺すその薬物を含む培地で育てた場合、
遺伝子導入に成功した菌だけは成長するので単離できます。
またマルチクローニング部位という制限酵素部位(DNAを切断する場所)がまとまって用意されているので、
IPTG(isopropyl-1-thio-β-D-galactopyranoside)や
X-gal(5-Bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-galactopyranoside)を利用することで
ブルーホワイト・セレクションが出来たりします。あぁ蛇足いっぱい……。
 
結局の所、このノートには一般的な遺伝子組替えの事しか書かれていませんが、
『SEEDを持つ者』『Superior Evolutionary Element Destined-factor』等の
SEED世界に於ける遺伝子概念や、キラ・ヤマトと関係があるのでしょうか。
単にコーディネイターの作製に留まらず、
例えば、更に特殊な遺伝子をヒトに与えるような試みだとか…。
 
デュランダル議長が運命(?)に抗おうとする葛藤は、既に幾つか描かれています。
 
───誰が決めたというのだ。何を!?(@デス種29話
 
また、議長が目指す世界構築について読みとれる台詞もありました。
 
───今のこの世界では、我等は誰もが本当の自分を知らず、
   その力も役割も知らず、ただ時々に翻弄されて生きている。
 
───もっと早く自分を知っていたら、
   君達のようにその力と役割を知り、それを活かせる場所で生きられたら。
 
───人は自分を知り、精一杯出来ることをして役立ち、
   満ち足りて生きるのが一番幸せだろ?
   この戦争が終わったら私は、是非ともそんな世界を創り上げたいと思っているのだよ。
   誰もが皆幸福に生きられる世界になれば、もう二度と戦争など起きはしないだろう。
   夢のような話だがね。(@デス種36話
 
もしこの台詞が真実であり(議長だから裏がある可能性もある)「FATES」での独白も考慮すると、
DESTINY PLANとは人々が遺伝子によって決定づけられた能力を知り、
それに相応しい生き方ができる、満ち足りた世界を構築する事だと推測できます。
もちろん、今後明らかになるファクターも加わると思われますが、
この思想は人間の成長する可能性を奪い、選民思想に繋がる危険性すら孕んでいます。
 
仮にその世界で、最高の能力を備えるとされるキラ・ヤマトとはいったい何なのか?
 
───在ってはならない存在だというのに。
   知れば誰もが望むだろう。君のようになりたいと!君のようでありたいと!
   故に許されない、君という存在もッ!(@無印種50話
 
ラウ・ル・クルーゼの言葉が思い出されます。
(私の推定する)議長の目指す道は、クルーゼとは相容れないのでしょうか…?
ジレンマに悩みながらも、議長はそのバランスを取ろうとしているのかもしれません。
 
───僕は…それでも僕は! 力だけが僕の全てじゃない!!(@無印種50話
 
力(能力)だけが自分の全てではない。
最高のコーディネイター、キラ・ヤマトはそう否定しました。
しかしSEEDという世界で、遺伝子操作による能力の飛躍的向上が認められた世界で、
誰がそれを納得できるのでしょうか?どう納得させられるのでしょうか?
 
───それが誰に解る?何が解る! 解らぬさ!誰にもォッ!
 
───そんな、あなたの理屈!
 
───それが人だよ!キラ君! 何を信じ、何故信じる!?
 
───それしか知らないあなたが!
 
───知らぬさ!所詮、人は己の知ることしか知らぬ!(@無印種50話
 
そうしてキラはクルーゼを論破できないままにSEEDは終わりました。
クルーゼに追い込まれたキラから最後に出てきた答。それは
 
───それでもッ! 守りたい世界があるんだ!(@無印種50話
 
でしたが、議長は彼の守りたい世界すら変えてしまうかもしれません。
いったいどう戦えばいいのか、どう生きればいいのか。
これがSEED DESTINYに隠されたテーマの一つだと、思えないでしょうか…?
 
ダコスタが発見したノートに書かれた、
デュランダルの研究員当時の同僚のものと思われる文章。
 
『デュランダルの言うデスティニープランは、一見今の時代有益に思える。
 だが我々は忘れてはならない。人は世界のために生きるのではない。
 人が生きる場所、それが世界だということを』
 
秩序ある世界を存続させるために、
ヒトは定められた(運命づけられた)能力に従って生きるべきなのか。
そうではない。ヒトが生きていくことで、世界が作られるのだと。
 
───逃げるな!生きる方が戦いだ!(@無印種50話
 
やはり、SEEDはこのカガリの言葉へ集約するのかなぁと私は思ったりするのですが、
またいっぱい書きすぎちゃったよ読み飛ばしてください、ぐはぁ。
 
キスされちゃった・・・
「マリューさん」
「ん、どうしたの? 疲れてる?」
「分からなくなっているんです…。
 ムウさんが生きていたように、フレイも生きてて。
 嬉しいはずなのに、何かが引っかかっている気がして…」
「キラくん、フレイさんは…」
「それなのにムウさんは記憶が無くって……。
 だから…もしかして僕が違和感を感じるのは、
 僕も記憶を失っているんじゃないかって…思うんです」
「(記憶が回復しつつあるの……?)」
「…怖いのかもしれません。なんだか…アスランの記憶も曖昧で…。
 分からないことだらけなのに、今の僕には何の力もなくて。
 これじゃあ、何も守れない」
「もうすぐラクスさんも戻るわ。そうすればきっと。ね?
 だからそれまで頑張って」
 
「メイリンは?」
「今ちょっと熱出してる。
 でも大丈夫だよ、ミリアリアが少し話聞いたって。
 ミネルバに乗ってた子だよな。管制の」
「ああ。助けてくれたんだ。殺されるくらいなら行けって。
 ほとんど話したこともないのに。俺甘えて、巻き込んで…
 ほとんど話したことないんだ、本当だ。本当だぞ」
「お前のこと好きなんだろう,きっと。
 大丈夫だよ。彼女のことは心配するな。ちゃんと私がオトシマエ付けておくから」
 
ようやく落ち着いて話せるようになったアスラン。
ずっと看病していたカガリと、今までのことを振り返ります。
ユウナとの結婚の事、ザフトに戻った事、オーブの事、ユニウスセブンの事。
二人の間にあったわだかまりは今、一つ一つほぐれていきます。
結局アスランが突っ走りすぎちゃってたのが残念でしたが、これにて一件落着。
 
浮気じゃないぞ
「ところで、お前……。
 キ ラ に 何 か し た か ?」
「い、いやっ、そんな事はない」
「アイツ、お前と会ってから、様子がおかしいんだ。
 何 か 知 っ て る ん じ ゃ な い か ?」
「ぜ、絶対に」
 
一件落着?
 
「(早く、ラクスにカガリを落ち着かせてもらわないと・・・)」
 
バル×ダコ
場面戻って、エターナル艦橋。
ダコスタ君がメンデルからずっと追尾されていたため、ピンク戦艦の居場所がばれてしまいました。
現在「ナスカ級一隻とだってやれる戦力はない」そうですが、
ファクトリーのために時間を稼ぎ、資料と『あの二機』を守るため、
ラクスはエターナルを発進させました。
 
しかし腐ってもエターナル。
ミサイルをがっちょり積み込んでおり、追っ手をぶち殺していきます。
そこにコクピットを外すとか不殺とか言ってる余裕などあるものかー!
 
艦の先端にはミーティアらしき武装もあるのですが、
今回は後半の展開を盛り上げるため、ピンチに追い込まれるのでした。
 
エターナルからの緊急連絡で、AA内にも焦りが広がります。
遠く手の届かない宇宙にどうしたらいいのか?どうするべきなのか?
迷うキラに光明を与えたのは、ネオと、そしてアスランでした。
 
「なんか隣の奴がさっきからジタバタうるさいんだけど。キラ行けって」
「え!」
「ラクスを…守るんだ…絶対に」
「彼女を失ったら全て終わり、だそうだぜ?」
 
「(じゃないと、俺も危ないんだ……)」
 
「カガリ!ルージュ貸して!それからブースターを!」
「あ!キラ!」
「キラ君!」
「ありがとう、アスラン!
そう言ってキラは飛び出していきました。
 
「ブリッジの通信コードは覚えてるのね…」
ネオもかつての記憶の片鱗を覗かせつつあり、
アスランの帰還と共に、アークエンジェルは大きく動き始めました。
 
 
[ルート選択]
・ええい、フリーダムはいい!
 ストライクを映せ、ストライクの戦いぶりを! という人(Rルートへ
 
・普通にストライクフリーダムの活躍が見たいよ な人(Fルートへ

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