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終わらない未来 僕たちが辿り着く先はどこなのか
 
あの死闘の果てに───
 
 
機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS 〜選ばれた未来〜
 
年末スペシャルと題して放映された、最終回+αのFINAL PLUS。
「最後の5分だけで十分」とか! 「ラストに納得できない」とか!
独自のデス種アフターストーリーSSを作っている方達からは
無関係宣言を出されたりとか! なにかと批判の多い追加版なんですが、
批判が多いのは本編だってそうだろう?
なにを今更慌てているのか我々は!
しっかり咀嚼して飲み込め! 消化しろ! 血肉とせよ!
 
それが『最後の力』なのだから!!(嫌かもしれない
 
 
<レビューの前に>
言いたい事の大半は既存のレビュー
SEED DESTINY最終話「最後の力」内で述べております。
以下はFINAL PLUSでの追加事項と思われる部分
(あるいは取りこぼしていた部分)を独自解釈で取り上げたものです。
既存レビューと重複する内容はなるべく削っているので、
最終話を復習してから読まれると、より楽しめるかもしれません。
 
・・・
 
冒頭は激しい戦闘シーンや遺伝子操作の映像をバックに、
旧約聖書の『創世記』に登場する『善悪の知識の木』になる実の話が
レイの言葉で語られています。
 
『園の全ての木から採って食べなさい。
 ただし、善悪の知識の木からは決して食べてはならない。
 食べると必ず死んでしまう。
 だがやがて、共に創られた野の生き物のうちで、
 一番賢い蛇がこう言ったという───
 
 決して死ぬことはない。
 それを食べると目が開け、神と同じく善悪を知る者となる。
 そのことを神は知っているのだ
 
 ───と。
 そうして始まりの人は、その実を食べたのだという』
 
人類の始祖が「知恵の実」を食べた事で罪を負い、
エデンの園を追放された「失楽園」という有名な話です。
キリスト教ではこれが人の原罪(the original sin)とされます。
 
sin(原罪を負う者)=シンという見立てはデス種初期からあったのですが、
ここでより解りやすく『創世記』を挿入してきたと思われます。
デス種で人の罪として中心となったのは「戦争」にまつわる罪。
議長も演説で述べた「人類最大の敵」つまり
 
「いつになっても克服できない我等自身の無知と欲望」だということを!(デス種@47話
 
議長の思惑はただ戦争を無くしたいだけではありませんが、
「争いの種」の消去は一つの目標でした。
 
戦いを終わらせる、戦わない道を選ぶということは、
戦うと決めるより遙かに難しいものさ、やはり。(デス種@19話
 
それに異を唱えたのがシンでした。
 
でも、敵の脅威がある時は仕方ありません。戦うべき時には戦わないと。
何一つ、自分たちすら守れません。(デス種@19話
 
戦うことを肯定するシンの罪。
 
でもあれじゃ戦うしかないじゃないか!(デス種@25話
 
アスランの罪。
 
自分だけ解ったような綺麗事を言うな!!
お前の手だって既に何人もの命を奪ってるんだぞ!!
 
…うん。知ってる。(デス種@25話
 
キラの罪。
 
 
議長は全てのエゴを呑み込もうとしたのでしょうか? だとすれば、
 
シン:呑まれた者
アスラン:呑まれかけて逃れた者
キラ:呑まれなかった者
 
という単純な解釈は可能です。
しかし、そこからもう一歩踏み込むと
デスティニープランを授けようとした議長の意図が見えるかもしれません。
 
 
シャア「世界は、人間のエゴ全部は飲み込めやしない」
アムロ「人間の知恵はそんなもんだって乗り越えられるっ」
シャア「…ならば、今すぐ愚民どもすべてに叡智を授けてみせろ!」(@逆襲のシャア
 
「逆襲のシャア」で池田秀一演じるシャアは人の際限ないエゴに諦念し、
人類の覚醒を促すべく、叡智を授ける代わりに地球へ隕石を落とします。
 
「池田秀一」を鍵にデス種の構造を紐解くと、
デスティニープランという叡智を授けようとした意図、
逆襲のシャアに対する本歌取りの構図が見えてくるのではないでしょうか。
(ただし、その内容がお粗末だったのは言うまでもないですが)
 
 
じー・・・
AA出航前に、カガリの新作カットが追加。
旅立つ戦士達と包容を交わします。(ただし追加アフレコは無し
アスランとは一際熱く抱きしめ合います、むぎゅー。
それを全員がじろじろ見ています、ガン見です。
 
アスメイっぽかった46話ラストから、
アスカガっぽい出航シーンに変更。良かったねカガリ。
 
空も飛べないCHEMISTRYの「Wings of Words」はどこへやら。
OP曲はハイネ西川の「vestige -ヴェステージ-」に変更されました。
通常1分30秒のOP尺は、1分52秒に拡大。
素材をふんだんにあしらった堂々たるオープニングとなりました。
デストロイとかミーアのカットは最終章に関係ない気がしたけど。
 
本編放映時は不自然だと言われたシンルナをしっかりプッシュ。
孤立するシンを見守るルナの構図が象徴的です。
 
懐かしのおっぱいたゆんたゆんをバックに
ムウ(再生怪人)×マリュのカットが追加。
 
レイvsネオのカットは、クルーゼに変更。まぁ妥当ですよね。
でも、レイにも女の子とのロマンスがあったら良かったかも。
男ムサいわけじゃないんですが、そういう需要も、ね?
 
イザディアも忘れず追加。
だーかーらー、シホはどこだっつーの!!
 
「これ、入ってるよね?」といわれたキララク全裸ドッキング。
そんなに全裸乱舞が好きか、好きなんかーッ!(好きです
手前には、アスカガが手を伸ばし合う姿が見られます。
しっかりと手を握り合っているので、公式カプはアスカガと思って良いんでしょうか!?
 
ムウ×暁のカットは新規だっけ?
よく思い出せないけど、見返す気もないので取り上げてみる。
 
OPが90秒を越えたあたりでネタ切れになってきたのか、
あとは戦闘シーンを繋いで誤魔化してたヨ♪
 
命令です!
最終話よりも戦闘シーンを作り込んでいる感じはしました。
BANKが何度もかぶらないだけでかなり違います(多少ありましたけど)。
テンポや構成は良くなっていると思います。(3ヶ月も直す時間があったわけだしー
 
両勢力の動きについては、上官指揮やオペレータのアナウンスから多少推測できました。
・議長がエターナルを敵旗艦と認定して、攻撃集中を指示。
・ザフトの宇宙空母ゴンドワナ(9話で登場)も最終決戦に参加。
 オーブ主力艦隊と交戦。
・ザフトのファルバーン隊、ジロンド隊、レブバース隊などを確認。
・ザフト機の発進シーンなどもちょこちょこ追加。
 
 
レクイエム発射まで時間がないので二手に別れるようキラが指示を出すのですが、
(最終話)
アークエンジェルは行ってください!アスランも!
ジャスティスならシールドを突破できる。
この要塞は僕達で抑えるから!
(FINAL PLUS)
アスランは行って!アークエンジェルも!
ここは僕とエターナルで抑えます。あとは全てレクイエムへ!
えっと……命令です。
 
と、変更されていました。
さすが閣下! オーブ准将の権限を有効活用しています。
どこかの使えないフェイスとは違うね!(えー
 
バルトフェルドにも新台詞が追加。
「要塞の裏側へ回り込め! いくらデカいビームでも、
 当たらなければどうということはない!!」
 
またも目立たないところにガンダム台詞を入れてくるデス種。
そんな細かい芸は結構です。
 
イザディアにも新台詞が追加。
 
「ええいっいい加減に!フリーダムは何をやっている!?」
「何だよ、助けて欲しいのか?」
「違うわっ馬鹿者ォッ!」
 
いやあのー、無理にツンデレとかしなくていいですから。
 
他にはジャスティスの無駄な振りかぶりが減ったかなぁ?
あのソードをブンブン左右に動かす意味不明のヤツね。
だけど、要らないアクションかもー。
 
「まだ沈まないのか、エターナルもアークエンジェルも!」
焦りを感じ始めた議長は厳しい声を出しますが、
内心は落ち着いており、クルーゼと問答する余裕が見られました。
 
「しかし、凄いものだな」
(何が?)
「戦い、戦い、戦いだ。人は本当に戦うのが好きだな」
(ふっふっ。君は違うのか?)
「私は勝ちたいだけだ。戦いたいわけではない」
 
この場面で挿入されるチェスのカットは、
デュランダルの持つ戦争観のヒントかもしれません。
 
(だが勝てないものもある)
「…ああ。戦っても勝てない。どうしても得られない」
 
婚姻統制によってタリアと結ばれなかった過去。
遺伝子の定めるもの(ここでは運命を指す)には勝ち得なかった。
 
「なら人は何故生きる? 何故生まれる?」
(はっはっはっ、言ったはずだ。ただそれを知るためにだと。
 君は気に入らんかもしれんが)
「ああ、気に入らないね。私はごめんだ。
 君のように足掻くのも。負けるのも」
 
運命は受け入れるしかないのか。抵抗は無意味なのか。
運命は誰が決めたものなのか。神の手によるものなのか。
人は何故生まれる?「運命には抗えないことを知るため」だけに?
 
一番賢い蛇がこう言ったという───
それを食べると目が開け、神と同じく善悪を知る者となる───と。
 
ならば私はその知恵で、善悪も、運命すら定めよう!
 
ヒルダ「うわぁぁ!」
ヘルベルト&マーズ「ヒルダ!」
 
ヒルダさんのドムが被弾。死にはしません。台詞はこれだけ。
 
ムラサメ小隊の人達もちらっと登場していました。
ごめん、ちっとも見かけなかったからオーブ戦で死んだと思っていたよ(ぉ
 
「うわあーっ!(爆」
「ディアッカァッ!!」
 
ディアッカのザクも被弾。
新規カットのはずなのに、既視感ただようのはなんでだろう。
最終話レビューでもう書いていたからか。
台詞までまったく一緒なんですが、なにこれ?
なんでこのレビューは、先に書いたネタが次々実現していくかな。
 
ミネルバとAAの決着シーンの台詞が変更。
マリューが「バレルロール」を指示していた事に。
(最終話)
「バリアント!てぇ!」
(FINAL PLUS)
「突撃する!コリントス、てぇ!
 バレルロール、バリアント照準! てぇ!」
 
どうしてもマリューの技(?)として登場させたかったのでしょうか。
地上で戦艦がバレルロールってのは凄いけど、
宇宙ではそれほど強調するほどでもなかったような気がします。
結局、凄いのは神ノイマンの操舵なわけで。
 
そんなこんなでシンはアスランに蹴り倒されました、どかーん。
中からシンの魂(?)が浮かび出てきたので、
(あらら、FINAL PLUSでは死んじゃった?)とか思ったり。
 
ステラの幻影と会話するシーンは、微妙に変更されていました。
 
シン シン・・・
 
ステラ どうしたのステラ だめだよキミはこんなところへきちゃ
 
だいじょうぶ だからちょっとだけ あいにきた
 
ちょっとだけ ちょっとだけなのか?
 
うん いまはね
 
いまは・・
 
でも またあした
 
あした?
 
うんあした ステラ きのうをもらったの [やっと]
 
ん…
 
だからわかるの [どっちだかわかる あした] うれしいの
 
 
だから [シンとはまた] あした
 
すてら・・・
 
あしたね あした
 
[すてら・・・ ]
 
 
注:[ ]内が追加部分。
最終話レビューで読み解いた内容が、より解りやすくなっています。
詳細については最終話のまとめを参照してください。
 
(最終話)
「馬鹿な…!?」
(FINAL PLUS)
「馬鹿な…何故!?」
 
レクイエム壊滅が信じられないのか、議長の驚き度もパワーアップ。
 
メサイアに突入していったフリーダムに気付いて後を追ったジャスティスも要塞内部へ。
アスランは単独で兵士の銃弾をかいくぐり、司令室を目指します。
キラキュンが心配で仕方ないアスラン。
もう議長の事はどうでもいいと思ってんじゃね?
 
議長とのやりとりは若干言い回しが変更されていますが、
意味は同じなのでスルーね。
 
アスランが「キラ!」って飛び込んできたから、
レイがびっくりして引き金を引いちゃって議長が撃たれたっぽい(えー
すぐにレイに気が付いて銃を向けるんだけど、
レイは泣き崩れちゃって、アスランの仕事は無し。
 
アスランの追加台詞一覧。
「あ!キラ!」
「ぁ…」
「レイ…」
「グラディス艦長!」
 
グラディス艦長に呼びかける台詞がキラからアスランになった点のみ自然になったけど、
別段必要だったとも思えないです。
それ以外でアスランの存在は空気なので。ああデジタルって便利よね。
 
最終話では長すぎるから割愛したのですがやっぱり直ってなかった部分。
レイの発砲後、キラはどういうわけか左後ろに振り向きます。
レイは右後ろにいるのに、何故か左ばかりを気にします。
普通は銃声の方(右後ろ)を見るんじゃないかなぁ…。
お手元にビデオ・DVDなどありましたら見直してみてください、変ですから。
 
(FINAL PLUSではアスランの気配を感じ取ったのかも知れない)
 
崩壊していくメサイア。
その最後を看取るように、挿入歌『Fields of hope』が流れます。
「滅びの歌」の俗名に相応しい使い所ですね。
 
「貴方も、よく頑張ったわ。だからもういい、もういいのよ」
「ぁ……」
 
最期にレイは、虚空に消えゆくクルーゼの幻影を見ます。
物言わぬクルーゼが何を伝えようとしたのかは誰にも解りません。
ですが、それでようやくレイもクローンという枷から解放されたようです。
クルーゼとは違うひとりの人間となって、レイは家族を手にしました。
 
「お…かあ…さん…」
 
 
 
で、終わっておけばよかったんだよね、まだ。
ここからがその後の話・・・
 
フリーダム&ジャスティスの生存信号を確認し、
決着がついたと判断したラクスは、通信回線を開かせます。
相手は、ザフトの残存勢力中最大と思われる母艦ゴンドワナ。
 
「こちらはエターナル、ラクス・クラインです。
 ザフト軍、現最高司令官に申し上げます。
 わたくしどもはこの宙域でのこれ以上の戦闘継続は無意味と考え、
 それを望みません。どうか現時点をもっての両軍の停止に同意願います───」
 
あえてアーサー
応じた両軍の戦艦から、停戦の発光信号が上がります。
回収されていくMS、戦闘機、負傷兵達。
脱出艇の中にはミネルバのクルーも見られます。
アビー・ウィンザーもしっかり描き込んでありました。
 
満天を埋め尽くす光の渦。
自分が突き進んできた道の崩壊を理解し、涙するシン。
そんな二人を、ジャスティスが迎えにやって来ます。
(高山瑞穂コミック版ラストの方が好きだー!)
 
プラント最高評議会は、当然のように混乱。
強い指導者であったデュランダルを失い、意見はまとまりません。
その後の動きでは、評議会議員は入れ替えになるようですが…。
 
ザフトの敗北は、メディアを通じて世界へ報じられます。
この戦争の結果を、人々はどう受け止めるのでしょうか。
 
ガルナハンの住人はショックを受けているようです。
 
ザフトが嫌いなレジスタンス「明けの砂漠」に皆さんは
オーブの姫様萌え萌え集団なので、してやったりです。
でも当時敵対していた砂漠の虎はオーブに住んでたりします。
 
C.E.74 プラント、オーブ連合首長国は停戦合意。
終戦のための協議に入ります。
 
両国の関係を仲介したラクス・クラインは、プラント本国へ戻りました。
ディアッカの指揮する艦が護衛につき、直接警護にはジュール隊長が。
シホ・ハーネンフースの姿も見られます。台詞はありません。
着々とプラントを支配下に置いていくラクス・クライン。
 
 
時は流れて───
 
 
[エンディング選択]
 
 
 
 
好きなエンディングへ進んでください。
そして最後に、再びこの言葉を贈ります。
 
『…理解は出来ても、納得出来ないこともある!』(by アスラン・ザラ)

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