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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第四話

 

〜2−A・雪姫〜

将姫姉さんと別れて自分の教室に入ると、
そこには一人の女生徒が前の席に座って本を読んでいた。
私に気が付くとすぐに顔を上げ、微笑んで「おはよう。早いのね。」と声をかけてきた。
私は「・・・・・・おはよう。」とだけ答えて一番後ろの席に着いた。
すると、その女生徒は本を閉じてこちらにやってきた。

「今日は偶然早く目が覚めちゃって。誰もいないから退屈だったんだ〜
 私は秋山由美子。よろしくね。去年は1−Cだったんだけど、あなたは?」

この秋山由美子という少女はなかなか積極的な性格のようだ。
屈託のない笑顔を浮かべてこちらを見ている。

「・・・私は今年からここにきたの。名前は矢部・・・雪乃。」

「へぇ、雪乃ちゃんか。かわいい名前だね。
 いいな〜、それに比べて由美子ってありがちよね。
 雪乃ちゃん、どこから来たの?こっちに来たのはお父さんの転勤か何か?」

「・・・・そんなにいっぺんに聞かれても答えられないわ。」

この少女は非常に好奇心が強いらしく、
こちらへ身を乗り出してくるようにして次々と話しかけてくる。

「あっ!ゴメン。あんまり退屈だったから反動でつい。。。えへへっ」

「・・・・・私は新潟から来たの。理由はあなたの言うとおり親の転勤よ。(と、言うことにしている。)」

「へ〜!!新潟ってすっごく雪が降るんだよね!ここって雪つもらないからさ。いいなぁ。」

「・・・・・・豪雪地帯の方はね・・・。都心部はそうでもないわ。」

「えっ、そうなんだ。私、新潟はどこでも建物の一階が埋まっちゃうぐらい降るのかと思ってた。
 たしかに、そんなにたくさん降るところに街なんかつくれないよね・・・あはははっ」

「・・・・・・・・・そうね。」

「それでさ・・・・・・・・・・」

・・・・・・と言う具合でこの少女は教師が入ってくるまでわたしに話しかけてきた。
比較的、珍しい人間と言えるだろう。

 

 

〜始業式・将姫〜

さてと、全校生徒は体育館に集合ってことで、私たちは体育館にいる。
ご多分に漏れず校歌斉唱なんかしちゃったりして今は新任の先生を紹介してるところだ。
壇上で話している校長先生の後ろの方で緊張気味に立っている三人がその新任の先生らしい。
一人、二人と簡単な挨拶をしていって三人目。

 「初めまして、私は今年度から本校数学科で採用になった
       楯 忍(たて しのぶ)といいます。宜しくお願いします。」

ロングストレートで落ち着いた雰囲気のメガネをかけた美人だ。男子がざわざわし始める。

(?・・・・・・・・。)

私、なんだかこの人と会ったことあるような。ううん、気のせいかな。
すぐに奥の方に引っ込んでしまったからよくわからない。
ま、そのうち思い出すでしょう。
さてさて、長い校長先生の話が終わったので、教室に戻るぞっと。

戻る途中に雪姫をみかけたので声をかけてみる。

「ねぇねぇ、さっきの楯先生ってどっかで会ったことないかな?気のせい?」

「・・・・・・よくわからない。」

「そうね、アンタってあんまり人覚えたりするの得意じゃないもんね。。。」

聞く相手を間違えたみたいだった。

「・・・・うん。」

「ま、いいや。それじゃ、また後でね。」

「・・・・・・ええ、それじゃ。」

 

To be continued...

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