著:ショウさん(@愚者の書庫) 絵:えもん氏
真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜
第六話
〜2−DのHR・将姫〜
雪姫と別れた後、教室に直行する。今日はこのHRが終われば終了だ。
もっとも、放課後には雪姫と校内を探索する予定だけどね。
さて、先生が入ってくる。滝 誠一郎(たきせいいちろう)先生、物理の先生だそうだ。
後は席決めとお決まりの自己紹介、そして連絡事項と来てHR終了。
私はなんだか最初に座った席がホントにそのままになってしまった。
窓際の一番後ろだ。昼寝には最適だよね、よかったよかった。
あと、さっきの杉浦とかいう変なヤツが遠く離れているというのも助かった・・・。
前の席は岸部雄馬(きしべゆうま)君、
短くさっぱりとした髪で日焼けしたさわやかスポーツ少年。
サッカー部に所属しているらしい。
隣の席は園田理奈(そのだりな)さん。
ショートカットで大人びた顔立ちの女の子。演劇部所属とのこと。
たしかに芸術家肌かもしれない。イマイチつかめない性格。良い子だけどさ。
「それじゃ、御劔さん。また明日!」あくまで爽やかに去っていく岸部君。
「バイバ〜イ・・・・さてと、園田さんもこれから部活?」
「そうよ。もっとも、講演は夏休みぐらいだからまだノンビリしてるけどねぇ。」
「そっかぁ・・・私もなんか部活に入りたいな〜。」
剣道部とかはまずいけどね、さすがに。・・・ん?
なんだか園田さんがこっちをじ〜っ、と見つめている。
「・・・・ねぇ、御劔さん・・・・演劇部に入らない?」
「そうねぇ・・・えんげきぶ・・・・へっ!?わたしがっ?!」
何を言い出すかと思えば・・・。
「他に誰がいるのよ!う〜ん・・・あなたには光るものを感じるわ!!」
「あはははは・・・そう言ってくれるのはうれしいけど・・・
わ、わたし・・・女優なんてガラじゃないよ・・・。」
マズイ・・・なんだか園田さんの目が輝いている。
「私の勘は確かよ!さぁ!行きましょう!!」
腕を引っ張ってくるよ、この子は!
「わぁぁぁ!ちょっとまった・・・私、舞台なんてそんな!!」
「ほらぁ、そう言わずに。見学だけでもいいからさ、ねっ!」
「わ、わかったよ、わかったから離し・・・・」
「オッケー、決まり!さあ、出発!!」
園田さんは私の腕をつかんだまま駆け出す。見かけによらずパワフルな子だ・・・。
「さあ、いそいでいそいで!きっともう、みんな集まってるわ。」
「ちょっ!ちょっとちょっと!!わたし、この後やくそくがぁ〜〜〜〜」
「いいわいいわ〜、なんだかイマジネーションが湧いてきたわよ!」
聞いちゃいねぇ・・・。というわけで演劇部の部室まで拉致られてきた・・・。
どうしよ、雪姫ゴメンね。
To be continued...