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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第八話

 

〜放課後・雪姫〜

昇降口を出て左の方に歩き出した。
校舎づたいに道があり、花壇や樹木が両脇を飾っている。
所々にベンチなどもおいてあってちょっとした公園のようである。
一人で本を読む者、数名で談笑する者など思い思いに放課後を過ごしているようだ。
校舎の端までたどり着くと道が分かれていて、校舎の裏手の方には体育館が、
他の道の向こうにはグランドや別の建物が見える。
どの道を行こうか考えていると、ふいに背後に気配を感じたので
振り返えると一人の少年が立っていた。

「ねぇ、キミも編入生じゃない?」

も、ということは将姫姉さんの事を知っているのだろうか。
それにしても、なぜ私のこともわかったのだろうか。

「・・・・えぇ、よくわかったわね。翔子さんを知っているの?」

「あ、やっぱりそうなんだ!僕は杉浦祐治・・御劔さんとは同じクラスなんだ。
 彼女とは知り合いなのかな?」

「・・・・・私は矢部雪乃。彼女とは従姉妹同士なの。」

「なるほど、どおりで矢部さんも美人だ。
 僕はかわいい子はみんなチェックしてるからね。新しい子はすぐわかるのさ。」

杉浦という少年は爽やかに微笑んだ。こういう時はなんと言えばいいのだろうか。

「・・・・・・たいした記憶力ね。」

いちおう褒めておけば問題はないだろう。

「え?・・・あ、あはははは・・・ありがとう。
 あのさ、今何してるの?よかったら学校を案内するよ。」

少し面食らったように見える。今の応対はまずかったのだろうか。
それにしても見ず知らずだというのに親切な少年だ。
とても軽薄そうに見えたのは気のせいだろうか。
けれど、私は散歩ではなく探索をしなくてはならない。

「・・・・・わたし、もういかなくちゃならないの。じゃあ。」

「あ、ちょ、ちょっと〜〜〜〜・・・」

 

校舎の方は昼休みに一通り見て回ったので、グランドの方に行くことにした。
グランドでは野球部とサッカー部が練習をしていた。
グランドの横に見えた建物はどうやら武道館らしい。特に怪しげなところはない。
武道館の周りを一周してから校舎の方に戻ろうとした時に
電子音でPUFFY『愛のしるし』が流れた。私の電話だ。

「・・・・はい・・もしもし。」

「あ、ごめんごめん!わたし〜!」

・・・やはり将姫姉さんだ。

「・・・・わたしはグランドの方を見終わったから校舎に戻るところ・・。」

「あちゃ〜、もう見終わっちゃったんだ・・・何かあった?」

「・・・いいえ、何も。」

「そっか・・・じゃ、今日はだいたい校内の造りを把握したし、帰ろうか?」

「・・・・・わかった。校門で待っていて。」

「おっけぃ。それじゃ、待ってるから。」

こうして、私たちの潜入第1日目は終わった。

 

 

〜夕暮れの学校・???〜

ほとんどの生徒が部活を終えて帰った後・・・体育館の裏手で四人の人影があった。

A「・・・で、二人の編入生っていうのはホントにあの人の言ってた、八なんとかなんですか?」

B「その可能性が高いわね・・・
  高校で同時に編入してきた二人が従姉妹同士ってのも、できすぎでしょう。」

C「・・・・たしかに、可能性は高いでしょう。
  しかし、あまり性急に動くのも・・・・いけないんじゃないかと・・・。」

A「ていっても・・・じゃあどうするの?」

C「それは・・・・・・・」

B「しかたないなぁ・・・
  じゃ、私がちょっと探りを入れてみるよ。それから手を考えよう、ね?」

A,C「おねがいしま〜す。」「異議は、ありません。」

B「わかった。あなたは?」

声をかけられて、少し離れた場所にいた一人が答える。

D「あ、私はかまいませんよ。それに、私は、まだアイテムをうまく使いこなせないんです。
  もうちょっと習熟が必要みたいですね、、、
  しばらく皆さんのお役に立てないでしょう。
  だから、私はマイペースで行かせて貰います。
  あははっ・・・すいません。それじゃ・・。」

そういうと、この少女は立ち去ってしまった。

B「やれやれ・・・あいかわらずね、あの子は。。。
  ま、もうすぐ一人仲間が増えるみたいだし、
  それまではおとなしめにいった方が良いだろうから、かまわないけど。」

A「五人目ってどんな子なのかしら・・・。」

B「さぁね・・・もう後には引けないんだし、なるようにしかならないでしょ。
  じゃ、今日はこの辺で解散しよう。」

A「はい。それじゃ失礼します。」

C「・・・さようなら。」

 

D「さてと・・・皆さん適当にがんばってくださいね。
  じっくり拝見させていただきます・・ふふっ。」

 

To be continued...

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