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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第九話

 

〜朝の2−D・将姫〜

今日から授業か、、、任務とはいえ、ダルいなぁ。
しかも始業15分前に教室に到着。
雪姫は早起きなんだよね・・・何もこんなに早く来なくてもいいじゃない。
ほら、まだ誰もいないじゃな・・・・いた。

「おはよう、園田さん!」

「あ、おはよう。昨日はゴメンね。」

「いいっていいって、でも人の話はもうちょっと聞くようにしようね。。。」

園田さんは、うっ、と詰まってごまかすように笑った。

「なははははは・・・・はい、ハンセ〜してます。」

「よろしい。」

「あ、部長がけっこうアナタのこと気にしてたよ。
 誘っておいでって言われたし。今日はどう?」

ふえぇ、マジですか?

「う、うぅん・・・」

「ちょっとでいいからさ、ね?昨日のお詫びにお茶ぐらいだすよ。」

「わかった、演劇って普段どんなことやってるか少し興味あるし。」

「よし!決まった。」

と、話がまとまったところに乱入者が現われた。

「やぁ、おはよう・・・なんの話だい?」

・・・・・・・・杉浦。。。
園田さんも明らかに困ったような愛想笑いを浮かべている。

「な、なんでもないなんでもない。ね、園田さん。」

「そ、そうよね、なんでもないよ杉浦。ほら、もうすぐ先生来るよ。」

「ふっ、つれないなぁ。もうちょっとフレンドリーに接してくれてもいいじゃないか・・・」

あぁ、もうコイツはっ!
・・・などとにぎやかに朝のひとときは過ぎるのだった。

 

 

〜昼休み・雪姫〜

昼休みの始まりを告げるチャイムが鳴った。
私の教室、2−Aは比較的学食に近い。私は由美子に誘われて学食に向かった。

「ほら、まだ結構すいてるよ。よかった。去年なんか1−Cだったから良かったんだけどな。」

 1−Cは学食のすぐ隣なのだ。でも、2−Aも十分近いと思う。
手頃な席を見つけて座る。
この食堂は二階のほぼ中央に位置している。広くて、非常に明るい。
由美子はサンドイッチ、私はうどんを買ってきた。

「あ、そういえば昨日会った澪なんだけど、あの子も学食に来ると思うから一緒に食べようよ。」

「・・・そういえば長岡さんなら、昨日、帰りにも会ったわ。」

「あら、そうなんだ・・・・あ、噂をしたらほら。」

由美子が手を振ると長岡澪も気が付いてこちらへやってくる。
澪は日替わりランチなるものを買ってきた。

「澪。昨日、雪乃と会ったんだって?」

「ん?会ったっていっても、帰るときに昇降口で見かけたから、ちょっと挨拶しただけだよ。」

「ふ〜〜ん、澪が知り合ったばっかりの人に自分から声をかけるなんてたいした進歩ね〜」

由美子が悪戯っぽく笑いながら澪をからかっている。

「もう、人をなんだと思ってるのよ・・・。」

澪も微笑みながら答える。

「あ、澪、雪乃って新潟から来たんだって。色も白いし、いかに持って感じだよね〜。」

「あ・・・そうなんですか。」

「・・・・(こくり)。」

ちょうど、うどんが口の中にあったのでわたしは頷くだけにした。

「も〜、雪乃はさっきから黙々と食べてるわね。」

由美子は溜息をついてから、もう、と言う風に笑った。
澪もくすくすと笑っている。
・・・そんなにおかしなことをしているのだろうか。

「・・・・・へん?」

「ううん、変じゃないけどね。もうちょっとお話したいな。」

「・・・・わかった。」

とは言ったものの、食べながら会話ができるというのは一種の特技だと思う。とても難しい。
わたし達は、自分のこと、澪や由美子の中学生時代の頃の話題などで盛り上がった、と思う
(私はあまり参加できなかった。もう少し練習が必要だと思われる)。

会話が一段落付いたところで、由美子が壁に掛かった時計を見て言った。

「あ、そろそろ教室に戻らないとね。」

「あっ、本当だ。私は三階だから急がないと。それじゃあ、また・・・。」

澪はいそいそと立ち去っていく。

「またね〜・・・じゃあ、私たちも戻ろうか。」

「・・・・えぇ、そうしましょう。」

 

教室に戻ってみると、わたしの机の中に手紙が入っている。
白くて飾りっ気のない封筒だ。

「ちょ、ちょっと!!雪乃、それ何!!!きゃあ、まさか。。。」

隣の由美子が気が付いて興奮している。
ほおっておいて開けみると一通の便せんが入っていた。

『5時に武道館の裏で待っています。』

他には何も書いていない。差出人も不明だ。
のぞき込んできた由美子がきょとんとしている。

「・・・こ、これ、なんだろう・・・どっちかというと果たし状みたいだけど・・
 ラブレター・・・だよね?雪乃、心当たりは?」

「・・・・(ふるふる)。」

私は首を横に振って答える。
恋文にしろ果たし状にしろ、心当たりなど有るはずがない。
私は、この学校に昨日来たばかりだ。
由美子も怪訝な顔をしている。

「・・・・とにかく、行ってみればわかるわ。」

「そ、そうだけど・・・私、なんか嫌な予感がするな・・・やめておいたら?」

由美子は心配そうだ。

「・・・・大丈夫、携帯もあるし。」

「・・わかった・・・もう止めないけど、気を付けてね、最近ヘンな人多いし。」

「・・・・えぇ、気を付けるわ。」

とにかく、放課後になったら行ってみよう。

 

To be continued...

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