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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第十四話

 

〜通学路・将姫&雪姫〜

麗峰学園は、赤口町(“あかぐちちょう”と読む。しゃっくちょうではない。)
という駅で降りて5分ほど歩いたところにある。
駅から学園の正反対に8分ほど歩けば赤口学園なんてのもある。
そんなんだから、朝の駅は高校生でごった返す。
今はさほどでもないが、始業の8時半付近ではえらいことになる。

改札口の当たりで後ろから肩をポンと叩かれる。

「おっはよ〜。」

振り返ると園田さんが立っていた。

「あぁ、園田さん。おはよう!」

「今日も良い天気だね〜・・・あ、その子は?」

雪姫に気づいた園田さんが尋ねてくる。

「この子は矢部雪乃。一緒に編入してきた従妹だよ。」

「あ〜、そうなんだ。わたし、園田理奈。よろしくね。」

雪姫もそれに答える。

「・・・よろしく。」

・・・無表情だけど。

「こちらこそ。なんか従姉妹同士でもずいぶん雰囲気違うんだね。
 矢部さんってお嬢様っぽい。それに比べて・・・・」

園田さんが意味ありげにこっちを見る。

「な、なによ。」

「ううん、なんでもないよ〜。」

園田さんは悪戯っぽく笑ってる・・・コイツ。

「はいはい、ど〜せ私はガサツですから。」

「あはは、すねるなって。翔子チャンもかわいいよ〜〜〜」

「このぉ。」

などと戯れていると、また声をかけられた。

「おはよう、朝から元気だね。」

元気なこの声は岸部雄馬君だ。

「あ、おはよう!」「おはよ〜」

「それじゃ、また教室で!」

そういうと、柱に寄りかっているメガネをかけた女生徒の方へ颯爽と駆けて行った。

「おぉ?あの人、岸部君の彼女?」

「ああ、そっか御劔さんは知らないよね。あの人は井村亜希子(いむらあきこ)さん。
 今は・・・たしかC組かな。新体操部のホープ。去年インターハイに出たんだってさ。」

岸部君に気が付いて笑顔を浮かべる姿がなんとも可憐。
お似合いのカップルだ。

「へぇ、すごいんだ。」

「うん。岸部くんとは一年の時から付き合ってるみたい。
 はぁぁ、いいな。私にも王子様があらわれないかな〜。」

「へへ〜ん。演劇のやりすぎじゃないの?」

少し仕返ししてやる。

「くぅ。冗談だっての。でも・・・でも、やっぱり彼氏ほしいかも。。。」

「大丈夫!その気迫があればそこら辺にいる男の一人や二人簡単に押し倒せるよ!」

「ありがとう!わたし、がんばる!!」

「そう!その意気よ!」

「翔子〜!」「理奈〜!」

ひしっ。と抱き合う二人。

「あ・・・演劇部員にのせられた。」

「かかったね。やっぱり翔子は演劇の素質ありだね。ふっふっふっふっ」

「ちっ、一本取られた・・・・あれ?雪乃は?」

「あぁ〜・・・。あんなに先に行ってる。私たちのノリについてこれなかったみたい。。。」

冷静になってあたりを見渡すとバッチリ注目度200%だ。
みんなこっちを見てクスクス笑ってるよ・・・・。
くそぉ、止めろよ雪姫!
私たちは二人して顔を真っ赤にしながらいそいそと学校に急ぐ羽目になった。
うぅ・・・何でこんな目に。。。

 

〜昼休みの備品倉庫・???〜

昼休み、カビ臭い倉庫に三人の少女が集まっていた。

B「で、準備の方はできたの?」

D「えぇ、校舎全体に結界を張る準備ができました。発動には少々骨が折れますけどね・・・。」

B「そりゃあお互い様だよ。私だって何人操らなきゃいけないのかわからないじゃないのさ・・。」

D「だから、放課後、なるべく校舎に人が少なくなってからって言ったじゃないですか。」

B「はいはい、わかったってば。で、私たちが段取りをすませたら・・・・」

A「はい、私の出番ですね・・・。」

D「そのとおりです。」

B「私たちは校舎の中にいなくてもオッケーだよね?」

D「かまわないですけど、私たちも被害者に紛れたほうがカモフラージュにはなりませんか?」

B「な〜るほどね。ま、その辺は臨機応変と言うことで。
  それにしてもアンタの好み丸出しな作戦ね。」

D「私が考えたんですから当然でしょう。」

B「ま〜ね。。。」

A「あ、もうすぐ昼休み終わりますよ?」

B「じゃ、解散しよっか。また放課後にね。」

D「はい、それでは。」

 

To be continued...

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