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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第十五話

 

〜授業終了・将姫〜

授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
ふえぇ・・・英語むずかしかったよ・・・。

「うぅ〜〜ん、よっしゃ終わった〜!!」

のびをしながら歓喜の声を上げる私。
すると前の岸部君がくるりと振り返って言う。

「ホント、御劔は授業終わると元気になるよなぁ。」

「あたりまえじゃないのさ。」

すると、理奈も会話に加わってくる。

「そうそう、私たちの青春は放課後から始まるのさ、ふっ。」

岸部君も強く頷く。

「なにさ、結局岸部君もそうじゃない。」

「ふふっ、ま〜ね。」

な〜んて和やかにコミュニケーションを楽しんでいると放送が入った。

「二年A組・矢部雪乃さん、二年D組・御劔翔子さん、
 終礼終了後、五階・多目的教室に来て下さい。もういちど繰り返します・・・」

「・・・なんだぁ?」

「なんで多目的教室なんだ?」

「翔子、なんかしたの?」

「さぁ・・・何もしてないと思うけど・・・雪乃と一緒だから
 もしかしたら編入手続きの何かかもね。」

とは言ったものの、昨日のこともあるし。。。
胡散臭いなぁ、用心しないと・・・。

終礼が終わってから雪姫と合流して多目的教室とやらに向かった。

 

〜多目的教室・将姫&雪姫〜

このだだっ広い教室に入ってみると、事務員のおじさんが席の一つに座っていた。

「あ、待ってました、こちらの書類に目を通していただけますか?」

「はあ・・・。」

私たちは近づいていって、ホッチキスで止めてある三枚の書類を受け取った。
見てみると・・・なんだ?学則やらなんやらが書いてあるだけだ。

「あの〜、こんなの生徒手帳に書いてありますけど・・・。」

それに対してにこやかに答えるおじさん。

「あ、あちらは少々はしょってありますのでね。
 編入手続きのときにお渡しするのを忘れたものですから。」

「・・・こんなこと、事務室に呼んでくれればいいと思うんですが・・・?」

あからさまに怪しい。

「ともかく、もう帰っていいんですね?」

私がそういうと、おじさんは私たちを制止するように手を広げる。

「あ!すいません、もう一枚忘れてましたので、ちょっと待っててください。」

言うが早いかおじさんは走りだした。

「待って!」

私は追いかけた。もちろんドアにたどり着く前におじさんを遮ることが出来た。

「わたしたちも一緒に行きますから。」

「その必要はありません。すぐ戻るから。」

「雪乃、外に出て。」

雪姫は無言でドアの前まで行くがそこではたと止まる。

「どうしたの?」

「・・・・ドアが開かないわ。」

「はぁ?・・・おじさん、鍵閉めました?」

しかし、おじさんは困惑したような表情をしている。

「おかしいですね、鍵なんか掛けてないんですが。」

おじさんはドアに近づいていった。

「ん?鍵は開いてるじゃないですか・・・・あれっ!開かない?どうなってるんだ?」

いや、どうなってるってアンタ。
わたしもドアに駆け寄って開けようと試みる。

「くぅ・・・・・・開かない・・・」

部屋の中からはもちろん手で鍵の開閉ができるようになってるのだが・・・
どうやっても開かない。
おじさんもかなり困っている。

「弱ったな、壊れたのかな?・・・おぉ〜い、誰か!」

おじさんは叫びながらドアを叩くけどドアの向こうに人の気配はない。

「おじさん、三人で体当たりしてみましょう」

「うん、そうだな、やってみよう。」

「いくよ!いっせいの〜〜」

「とうっ!」「そりゃ!」「・・・えい。」

ガァァァンッ!

「うわぁぁぁっ!」

すごい音がして三人ともはじき返される

「あいたたたた・・・・雪?おじさん?大丈夫?」

腰をさすりながら立ち上がってみると、おじさんと雪姫もひっくりがえっている。

「いたたた・・・・ああ、私は大丈夫ですよ。それよりそちらのお嬢さんは?」

「・・・・つっ・・・大丈夫よ。」

たとえ壊れていても、教室のドアごときに三人がかり、
しかも私と雪姫が一緒になって体当たりしたのにびくともしないってのはおかしい。
くそっ、またやられたかな?
村正を使えばいけるかもしれないけど・・・おじさんが一緒だからなぁ。
さて、どうしようか。。。

 

To be continued...

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