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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第十六話

 

〜多目的教室・将姫&雪姫+おじさん〜

・・・30分ほど経過しただろうか。
私たちはドアをイスでぶち破ろうとしたり、同じように窓ガラスを叩き割ろうとしたり
思いつくことは全てやってみた・・・だけどやっぱりというか、徒労に終わった。

私はイスに腰を下ろして一息ついた。

「まいったなぁ・・・いったい何が起きてるの?!」

おじさんと雪姫も腰を下ろした。

「・・・・このままじゃまずいわね。」

「ああ・・・まずいよ、まだやらなきゃいけないことが沢山あるのに。」

うん・・・?

「おじさん、書類渡すだけなのに、どうしてわざわざ多目的教室だったの?忙しかったんでしょ?」

「あぁ、それは・・・あれ・・・え?いや・・・どうしてもここじゃなければいけなかったはず・・・」

この人、やっぱり操られてたかな?

「ま、いいよ、とにかく今はここを出ることを考えよう。」

「あ、あぁ・・・そうですね。」

さてと、おじさんも立ち直ったところで、悪いんだけど・・・。
おじさんに後ろから当て身を喰らわせて眠らせる。
ごめん、ちょっと眠っててね。助けてあげるからさ。

私は村正を召喚した。

「さて、と。雪姫、ちょっと離れててね。」

雪姫がドアから離れたのを確認して村正を抜きはなちドアに向かって斬りかかる。

「せあっ!」

手応えはあった。
刀を鞘に納めると、斜めに切断されたドアが二つの破片となり音を立てて倒れる。

「やったね。さてと・・・」

私は村正を引っ込めておじさんをおぶることにした。
やれやれ、自分のまいた種だけど、可憐な乙女のすることじゃないよね・・。

「さ、行こう、雪姫。」

私が出口に向かって歩くと雪姫も無言でついてくる。
もともとドアであったものをまたいで廊下に出てみると、妙に静かな気がする。
五階は特別教室しかないので放課後は静かだ。
だけど、何かおかしい。
嫌な予感がしたので下に降りてみる。
四階に来ても外見上おかしいところはない・・・が。
やっぱり静かすぎる。この階には三年生の教室だってある。
まだ五時にもなってないのにこれはおかしい。

「きゃあああっ!!!」「うわぁぁっ!!」

その時、複数の悲鳴が聞こえた。

「雪姫!」

「・・・・行ってみましょう。」

私たちは声のした方に向かって駆けだした。
すると声のした方から男女混じって五人の生徒が駆けてきた。

「どうしたの!」

全員怯えきっている。いったいどうしたっていうのさ。
そのうち一人がもと来た方の角を震える指した。

「ば・・・ば・・バケモノ・・・」

はぁ?バケモノ?
たしかに指さす方向には影が見える。
非常にゆっくりとだがこちらに近づいてくるようだ。

「は、早く逃げるんだ!!!」

その声でみんなハッとしたのか私たちが来た方向へ一気に逃げ出した。

「ちょ、ちょっと待ってよ、バケモノっていったいなんの・・・」

そこまで言いかけた時、“それ”が姿を現した。

「んげっ!」

あの〜・・・あれだ。人体模型。たしかにあっちには生物実験室があるけどさ・・・
よく見るとその後ろに何かが続いて出てくる

「うひぃぃぃぃっ!!」

数え切れないほどの妙に白っぽいネズミやらカエルやらが
人体模型の後ろをずるずるとついてくる。
ホルマリン漬けってヤツかな・・・?
さすがの雪姫も顔がわずかにひきつったようにみえた。
こ・・・こりゃあれだよ・・・・

「雪姫!回れ右っ!!!」

私たちも、もと来た道をダッシュで逃げる!
階段まで戻ってきた私たちはとにかく駆け下りた。
とにかく一階まで降りよう、そう思った。
思ったんだけど・・・
三階から下に降りようとしたら踊り場に女生徒が立っている。

「何してるの?あなたも逃げないと・・・・・・?」

よくみるとその生徒、足がない・・・あっははははっ、古典的。。。
で、固まった私たちの方を振り向くと顔もないんだこれが。
制服もよく見るとボロボロで血まみれだね。

「ゆ、雪姫・・・向こうの階段に行くよっ!!」

わたしたちは三階の廊下を走り抜けた。
もうむちゃくちゃ。。。

 

To be continued...

 

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