戻るTOPへ

 

著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第十八話

 

〜校内三階・雪姫〜

どうやら分断されてしまったようだ。
とりあえず、別の階段から下を目指そう。

もと来た廊下を戻ってさっきの階段・・・南西階段に来ると、踊り場には女生徒の霊がまだいた
どうやらそこから動く気配はない。
先ほどは気絶していたとはいえ事務員の男がいたので使わなかったが
私の「極寒の弓矢」は文字通り魂さえ凍てつかせることができる。
私は極寒の弓矢を召喚し、即座に「凍結ノ矢」で霊を射た。

「キャアアアアァァァァァァァァァ!!!!!」

この世の者とも思えないほどの悲鳴(事実、この世の者ではないが)を
発して霊は凍り付き、砕け散った。
これで階段を下りることができる。
二階に下りてからいちおう、先ほど姉さん達と分かれた北西階段に行ってみたが
案の定シャッターが下りていた。
仕方がないのでもと来た南西階段で一階に下りる・・・が、こちらもシャッターが下りている。
二階で別の階段を使うしかない・・・そう思って二階の他の階段にいってみると
他の階段は全てシャッターが下りている。
どうやらいったん上に上らないといけないようだ。
三階まで上がって来る。
先ほどシャッターが下りた階段は無視して別の方向にいく。
図書室の前を通りかかった時、スプリンクラーから
シュルシュルと大量の髪の毛が飛び出してくる。

「・・・・くっ。」

急いでその下を駆け抜ける。演劇部の人たちが言っていたのはこれのことらしい。
図書室の向こう、南東階段は行けるようだ。
しかし、上ろうとした時。

「!・・・・・・・・。」

何かが上から降ってくる気配がしたので素早く身を転じる。
ベチャ、と音がしてカエルが落ちてきた。
さっきのホルマリン漬けだ。見上げると人体模型も階段を降りてくる。
様々な動物のホルマリン漬けが次々に落ちてこようとしている。
コウモリは至っては飛んでいるが。
私は全て凍結ノ矢で氷漬けにすることにした。
階段を少しずつ登りながら降ってきそうなホルマリン漬けを射落としていく。
踊り場まで来るとちょうど人体模型も降りてきたところだった。
こちらにつかみかかってくるところに蹴りを入れると
重量があまりないせいか派手に転がった。
なかなか起きあがれずにいるところを射る。
人体模型が氷漬けになって動かなくなったところを確認してから階段をゆっくりと登る。
四階に上がって来ると、廊下に一人の男子生徒が倒れていた。
弓を消してからそっと近づいてみる。
彼は突然立ち上がり飛びかかってくる。
早い!人間の動きではない。
避けきれずに押し倒され、そのまま組み伏せられる。
よく見ると目は白目をむき、泡を吹いている。
何かに憑かれているようだ。
この男子生徒はそのまま私の首を締めてきた。
ふりほどこうとするが、力も尋常ではない。

「うっく・・・・・!」

何とか弓を召喚して打ち払う。

「グワァ!」

男子生徒は人らしからぬ声を上げて一瞬ひるんだ。
その隙に何とか抜け出しのだが、あちらもすぐに立ち直る。
そのまま飛びかかってきて矢を射る隙を与えてくれない。
しかたがない。
私は次に飛びかかって来たタイミングを見計らって後ろに回り込み
相手の首に弦を引っかけてひねった。
私の接近戦における切り札。

「グオォォォォッ!」

相手ももがいて、指から血が出るほど弦を引っ張っているが無駄だ。
そのうち力が抜けていきガックリと崩れ落ちる。
なんとか締め落とすことが出来たようだ。
念のため倒れた生徒の手足を床に凍り漬けにして一息ついた。
ホルマリン漬けにつられて上がってきてしまったが、私は下を目指していたのだった。
いちおう、この階段を使って一階に下りてみたが、シャッターが降りている。
この階段もダメみたいだ。
今度は三階で北東階段を確かめてみるがここも閉じている。
仕方がないので先ほど闘った男子生徒の所まで戻ってきた。
まだ彼は気を失っている。
ほおっておいて私は他の階段をあたることにした。

 

To be continued...

 

戻るTOPへ

inserted by FC2 system