自転車放浪記 1

壱萬アクセス記念企画

そうだ 京都へ行こう

我が愛車「晴走雨走」号(命名ヒライ様

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最近バイトの話ばかりで

皆忘れているかもしれないが

私は神月円心流古武道弐段であり

さらにキックボクシングの経験もある

ヌンチャクを高速で振りまわす事もできれば

左右どちらの足でも自在に蹴りを放つこともできる

武闘派の個人サイト管理人なのである

それ故この「隠居主務の間」壱萬HIT記念という好機を逃さず

我が武名を天下に鳴り響かせなければならない

私は一つの決心をした

愛車「晴走雨走」号を駆って上洛し

天下に我が武威を示して見せようと

 

 

午前9時、大阪市都島区京橋の地に一人の漢が現れた。

雄々しくも愛車「晴走雨走」に跨ったその漢こそ

隠居主務その人であった

これから始まる旅は苦難の連続となることであろう

しかし、苦難を厭うてはいけない

全ては我が武名を天下に轟かせるためなのだ

とりあえず手始めに一本いっとこう

ということでアスパラドリンクを飲んで気勢を上げた隠居主務は

京の都を目指す旅の第一歩をこの京橋の地に刻んだ

 

ちなみに上の写真は「京橋グランシャトー」

ゲームセンター、パチンコ、カラオケ、

サウナ、ナイトクラブ、中華飯店等が一つになった一大レジャービル

「♪京橋はええとこだっせ グランシャトーがおまっせ」

というCMソングが涙を誘う

京橋の繁華街を象徴する建物である

 

京橋を出発した隠居主務は

国道一号線に沿って守口市へ入り、そこから国号を逸れて京阪守口市駅に至った

ここで銀行に立ち寄り、路銀を確保する

 

この京阪守口市駅には一部の人間に聖地として崇められている場所があり

上の写真はその場所で撮影したものである

一部の人間といっても別にカルト宗教団体とかではないが

歌姫掲示板に出入りしている者の中には

この写真が示すものがわかる者もいることだろう

 

ちなみにベンチの前に止まっている自転車は我が愛車「晴走雨走」号

以後の写真にはその地に至った証明として「晴走雨走」号が写る

駅前に自転車を駐めたかと思ったら写真だけ撮ってすぐに立ち去る

不審人物丸出しの隠居主務であった

 

守口市駅を出発した隠居主務は京阪電車の線路に沿って進む

守口、門真のあたりは松下電器の建物が大量にあり

線路脇は全部松下の所有地で

「松下電器の社員は一般の方の通行を妨げないよう右側通行をしてください」

という放送が流れていたりする

松本幸四郎の銅像があったので

その銅像の写真を撮りたいと思ったが

自転車で松下の敷地内に入るわけにもいかないので断念

 

寝屋川市駅を越えてしばらくは裏道の生活道路のようなところを通る

おばさん2人が歩道を占拠して立ち話

ベルを鳴らすも全く気付く様子もなくそのまま立ち話

間近で一旦停止して「すいません」と大声で言うとやっと気がついて道をあけた

 

光善寺駅の前にある自転車預かり所 素晴らしいネーミング

なぜかTVで取材されたことがあった

老夫婦が経営しているらしい

 

光善寺の次は枚方公園駅

京阪電鉄の遊園地「ひらかたパーク」の最寄駅である

写真はその「ひらかたパーク」の正門

「ひらかたパーク」は隠居主務が幼少の頃よく連れてきてもらった遊園地であるが

もう10年以上行ってないのでその変化ぶりには驚いた

まあ、何年か前にリニューアルしたことはCMで知ってはいた

「♪ひらパー ひらピー ひらポー」

という絶望的なセンスの歌が印象的なCMであった

まあ正門を見ただけで中には入っていないのだが

 

ひらかたは漢字で「枚方」と書く

昔ニュースでキャスターのお姐さんが

この「枚方」を一旦「ひらかた」と正しく読んでおきながら「まきかた」と言い直し

どちらが正しいかわからなくなって右往左往した挙句

スタッフが調べて持ってきたと思しき紙を見ながら

「失礼しました 『まきかた』が正しいようです」

と堂々と発言し、全国に間違った読み方を広めていた

 

枚方からは旧京阪国道という道路が線路沿いをはしっている

その道を「晴走雨走」でひたすら走っていた隠居主務であったが

便意には勝てず樟葉駅に立ち寄る

駅の表側は百貨店「松坂屋」などがあり

それなりに栄えてはいるが

裏は建物一つない奇妙な駅である

まあ、裏は河川敷になっているからであるが

 

そんなこんなで京都府に突入

時刻は午前11時45分

 

競馬の開催日には赤鉛筆を耳に挿したおっさん達で

埋め尽くされるのであろう京都競馬場も

平日の昼間は人っ子一人いない

 

競馬の胴元すなわちJRAの取り分は

勝った馬の人気によって多少変化するものの

だいたい25%程だという

要するに掛け金全体の25%をJRAが持っていき

残りの75%を馬券を的中させた人で分ける、ということだ

宝くじの場合の胴元の取り分は52%なので

マクロの視点で見ると競馬のほうがかなりお得

まあ、25%損するか、52%損するかの違いで

どっちにしろ損はするのであるが

 

京都市内に突入

鴨川の河川敷にこんな看板を発見したので一応撮影

下流は地獄の川らしいが

鴨川の下流といえば淀川である

我ら大阪の民草は地獄の川の水を飲んでいるらしい

 

ふらふら寄り道しながらチンタラチンタラ進んでいても

前進する限りいつかは目的地に着くもの

というわけで京都駅に到着

時刻は午後1時20分

京橋を出発してより4時間20分

この瞬間、隠居主務は自転車による大阪・京都間走破の偉業を達成

天下万民は隠居主務の武威の前に恐れひれ伏すことであろう

 

せっかく京都まで来たのに寺の一つもまわらずに帰るのもどうかと思ったので

とりあえず清水寺へ向かうことにするが

ハンドルを持っている間ずっと振動を受けつづけていたために

手が痺れてきてハンドルを握るのがつらい

自転車を漕ぎつづけた足も休ませねばならん

という事でマクドで休憩を取る

自転車漕ぎで疲れた足を伸ばしつつ手を握ったり開いたりして一休み

しばしの休息に幸せを感じる隠居主務であるが

奥の席に陣取るカップルには不快感を覚える

男が座席に寝そべって

その頭の前に座った女が脚を開いたり閉じたりして男にパンツを見せたり

胸や太ももをを揉ませたりしている

そういうことは自分の部屋でやるか

そういうことをするために設けられた施設に行ってやることをお薦めする

マクドでやるな

 

ちょうど紅葉の季節であったから

清水寺へ向かう坂道には観光客があふれている

そして修学旅行と思しき中高生も大量にいる

そんな中を自転車を押して坂を登る隠居主務の息は荒い

明らかに不審人物

 

そうこうするうちに清水寺に到着

自転車を押して清水寺に突入した隠居主務は

紅葉に映える三重の塔を撮影しようとするカメラマンの目の前に

自転車を駐めるという狂行に及ぶ

そうまでして撮影したのがこの写真

しかし、さすがに清水の舞台まで自転車で行くことは不可能

それ以前に参拝料を払わなければならない時点でもう行く気はないけれど

 

修学旅行の女子高生の中に

異様なまでにスカートの短い集団がいた

三重の塔を写すふりしてこの女子高生達を撮ろうかとも思ったが

その行為が変態的な行為であるように思われたので止めた

でもこれを書いている今は撮っておけばよかったと思う

寺やら駅やら競馬場やらと自転車の写真だけでは退屈だとは思わないか

 

しばらく京都を徘徊

祇園に行ってみるが舞妓さんは見つからなかった

これは東本願寺

たまたま前を通りかかったから写しただけ、などといったら罰が当るか

門が光り輝いて見えるのは単に逆光だから

 

こちらは東寺の五重塔

下校途中の地元中学生の視線を浴びつつ

またしても境内に自転車で突入して撮影

 

困ったことに自転車でここまで来てしまった以上

来たときと同じ距離を自転車で帰らなくてはいけないのである

東寺を後にしたのは午後4時

来たときと同じペースで走ると京橋に帰り着くのが8時20分

そんなに遅くなっては狂のうちに写真の現像をすることができない

そうすると壱萬HIT企画の日に間に合わなくなり

何のために遠路はるばる京都まで自転車で来たのかわからなくなる

とにかく急いで帰らなくてはならないが、大阪までの距離は・・・

しかし、この大阪までの距離というのは

国道1号と2号の分かれ目でもある梅田新道交差点を基準とした距離で

京橋は梅田から3kmほど京都寄りにあるから

実際の距離は41kmということになる

まあ、なんにしろ遠いことには違いない

 

「晴走雨走」は伊達じゃない!とばかりに

旧京阪国道を狂ったように突き進む「晴走雨走」と隠居主務

沈み行くあの夕日を目指して、走る走る走る

されど、あの夕日が完全に沈むまでに辿り着けなければ

友は私の代わりに処刑されてしまう、というようなことはない

そもそも日が暮れるまでに帰り着くなど

電車にでも乗らない限り不可能である

でもまあ

夕日が沈む前に大阪府に戻ることはできた

されど行程はまだ半分にも満たない

 

樟葉駅を過ぎる頃には完全に日が暮れていた

昼頃から発生した手の痺れはますますひどくなり

もう小指の感覚はほとんどない

我が脚部の弱点である右膝は既に悲鳴を挙げている

されど止まることは許されない

暗闇を切り裂き、突き進む「晴走雨走」

歩道を3人横並びで歩く中学生をベルで蹴散らし

信号もろくに守らず、明らかに自動車専用な高架橋にも突っ込んでいく

ただ前進あるのみの精神で一路目指すは大阪京橋

 

されど、こんなに意気込んで走っているにもかかわらず

ロードレーサーにあっさり抜き去られる「晴走雨走」

まあ、いくら新品とはいえ「晴走雨走」は

ホームセンターコーナンで8950円で購入された安物

一台何十万とする自転車に抜き去られるのは当然のこと

私にあのような自転車があったなら

京都といわず滋賀や奈良まで自転車で行ってみせるものを・・・口惜しや

などと思ったりもする程に羨ましいけれど金がないから羨望は羨望のまま

 

そうこうするうちに「晴走雨走」は大阪入り

そして京橋まであと2駅と迫った関目駅前の通貨時間は午後6時31分

ラスト2駅と突っ走り、次の野江駅通過が6時35分

最後の1駅京橋駅へ走れや走れ、あと一息

京橋の繁華街に入った「晴走雨走」をネオンが迎える

最後の信号渡りきり、ついに到着京橋駅

時刻は午後6時40分であった

京都より2時間40分

私は帰ってきた

大阪に帰ってきた

この苦難の旅を乗り切ったのだ

これで我が武名は天下に轟くに違いないぞわっはっは

というわけで記念撮影

・・・レンズ付きフィルム(フラッシュなし)の限界を見た

 

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