ラグナ記

戻る・TOPへ

１１２回目「あぷりコット、消毒される」

　ねえパパ　最近変わったアコライトを連れ歩いてるらしいわね

　え、ななななんのことでしょうか？

　……声が裏返ってるわよ
　　　　　　パパがポリン仮面とかなんとか言ってる時に連れてる娘よ
　ポポポ、ポポリン仮面は私とは別人で……

　ポポリン仮面じゃなくてポリン仮面よ

　えーと、ポリン仮面も別人で……

　……そう、ならここに連れてきてよ　別人なら問題ないでしょ

　え、それはちょっと……

　いいから、連れていらっしゃい！

　は、はい〜（退場

　……（待つことしばし

　おまたせしました、ポリン仮面です

　あら、お早いお着きで　近くにいらっしゃったのかしら

　ええ、まあ　そうですね

　パパはどこに行ったのかしら？
　　　　　　リンゴ頭に載せた騎士が貴方とお会いしていたかと思いますが
　　　　　　どちらにいかれたかご存知？
　え、いや、彼は急用ができたとかで……

　あらそう、それは仕方ないですわねぇ
　　　　　　ところで、貴方はよくアコライトの娘さんと一緒ですよね
　　　　　　あの娘と貴方とはどういうご関係かしら？
　か、関係も何も、単に師匠と弟子というだけですよ
　　　　　　彼女は修羅を目指し修行の最中なのです
　ふーん　へー　そうなのー

　断じて、断じてやましい関係ではっ！

　……あの娘に直接訊いてみようかしら
　　　　　　娘の名前と居場所を教えなさい
　はいっ、名前はあぷりコット
　　　　　　今はオークダンジョンにいるはずですっ！
　そう、わかったわ　もう帰っていいわよ

　はい、では失礼致しますっ！（駆け足で退場

　……まったく、バカなんだから

…………………………………………………………

　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る

　ちょっといいかしら　あぷりコットというのはアナタね？

　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る

　もしもし、ちょっと　聞こえてる？

　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る

　ねえ、ねえってばー！

　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る　敵が来る　殴る

　……

　ストームガストッ！

　おう？　急に吹雪になった　地下なのにおかしい

　ねえ、ちょっと　こっち向きなさいよー

　敵が来る　殴る

　敵じゃない敵じゃないー

　人間だった　敵じゃない　殴らない

　まったくもう、殴るんなら相手をよく見てからになさい
　　　　　　このえんこ様に逆らうとラグナ記では生きていけくなるんだから
　えんこ！　あなたがえんこか

　あら、わたしの事を知っているのね

　ポリン仮面が言っていた
　　　　　　ラグナ記に敵う者なき最強の修羅だと
　……パパったら何を吹き込んでいるのかしら
　　　　　　帰ったらお仕置きね
　パパ？　お仕置き？

　なんでもないわ　こっちの話よ
　　　　　　それよりアナタ、ポリン仮面とはどういうご関係？
　ポリン仮面はわたしの師匠にして、それ以上の存在だ

　それ以上の存在！　パパったらやっぱり浮気を……

　ポリン仮面は越えなければならない壁
　　　　　　いつの日か、この拳で打ち倒してみせる
　……浮気じゃないみたいね　アハハハハ
　　　　　　どうもわたしの勘違いだったみたい　ごめんごめん
　　　　　　話してくれてどうもありがとうねー
　何の事がわからない　でも、どういたしまして

　そうとわかればオークダンジョンなんてじめじめした場所に用はないわ
　　　　　　さっきからなんかヘンなにおいもするし　早く帰ろ
　そのにおいはわたしの服のにおいだ
　　　　　　このとき以来、洗濯は一切していない
　うわー、いやー、ふけつー　熱消毒よーッ！！

　ぐわー、これが最強の修羅の力かー　がくっ（昏倒

ではまた

次へ・戻る・TOPへ