ラグナ記

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１１５回目「あぷりコット、カントクする」

　

　あ〜、毎日毎日夜遅くまで穴の中
　　　　　　給料もろくすっぽ貰えんというのに、オラは何のために働いてるんだろ
　　　　　　もうなんか、やる気がのうなってきたなぁ　今日も適当にサボるか〜
　　　　　　……おっと、騎士の奴がきたぞ　仕事してるフリをせんとなぁ

　今月も生産量が前年比１８％ダウンか
　　　　　　どいつもこいつも手を抜きおってからに
　　　　　　ええい！　キリキリ働かんかっ！
　ふぁ〜い　がんばりま〜す（へろへろ

　ちっ　このままでは上米をはねる事もできん
　　　　　　早急に手を打たねばならんな……

………………………………………………………………

　（ごそごそごそ

　あぷりコットよ、旅支度などしてドコに行くつもりだ

　私はモンクになった　修羅になった
　　　　　　これでちみもうりょうがばっこしている世の中も１人で大丈夫
　　　　　　だから妹を探しに行く
　妹探し……　あぁ、たしかそんな設定があったな

　誕生日にリボンをプレゼントしてやろうと思っていたのに
　　　　　　その直前にいなくなってしまった
　　　　　　私は探し出す　なんとしても探し出してリボンをプレゼントする
　ふむ、そうか　なるほどね……
　　　　　　そうだ、もしかしたら妹は炭鉱にいるかもしれないぞ
　炭鉱？　何故だ

　行方不明→人身売買→強制労働→鉱山送り、というのは
　　　　　　よくある話ではないかね？
　なるほど、さすがポリン仮面　何でも知っているな
　　　　　　ではさっそく炭鉱へ……
　まあ、待て　そうあわてるものではない

　ん？　どういうことだ？　妹は炭鉱にいるのではないのか

　いやいや、何の準備もなく行っても中に入れてもらえまい
　　　　　　私が炭鉱に現場監督として入れるよう便宜をはかってやる
　　　　　　さあ、このヘルメットをかぶって炭坑に行くがいい
　わかった　私はガテン系の修羅になる

　よし、その意気だ　現場監督として頑張ってくれ

　

　ふぁ〜　なんだお前　現場監督だぁ

　私が現場監督になったからには、みんな一生懸命働いてもらう
　　　　　　仕事は汗だ、成果は流した汗の量に比例する　さあ、はたらけ

　なにをめんどくさいこといってやがる
　　　　　　おらたちに指図するんじゃねぇ
　　　　　　どうせ真面目に働いたってイイコトなんかちっともねぇんだ
　　　　　　頑張るだけ無駄ってもんだ

　何しやがるっ！　いてぇじゃねぇか

　そんなことでいいのか　このまま終わっていいのか

　なんだと？

　このまま何も成さないまま、人生が終わってしまっていいのかと言っている

　うるせぇ　オラだって好きでこんなことしてるんじゃねぇ
　　　　　　でもな、こんな穴の中で一体何ができるってんだ

　プロジェクトＸ！？

　この炭鉱が貴様の職場なら
　　　　　　そこを国一番の炭鉱にしようと何故思わん
　　　　　　幾多の苦難を乗り越えて国を築いた人々に対して恥を知れ
　そ、そうか　そうなのか
　　　　　　この炭鉱の中でも、オラたちにできることはまだあるんだなっ
　そうだ、いまこそガテンの魂を見せる時！

　カントク、あんた最高だ　最高だよ
　　　　　　よっしゃ　オラたちも今から一旗上げてやるぜぇ！
　よし野郎ども、作業に取り掛かるぞ！

　ガッテン承知！

…………………………………………………………

　カントク……　もういっちまうのかい

　私は妹を探してここに来た　しかし、ここに妹はいない
　　　　　　だから私は行かなくてはならない
　　　　　　まだこの炭鉱は夢の途中だというのに
　　　　　　最後まで一緒にいられなくてすまない
　いや、いいんだ　あんたが謝ることはねぇ
　　　　　　オラ達はカントクに生きる目的を、ガテンの魂をもらった
　　　　　　こうやって日々充実した汗を流せるのも
　　　　　　カントク、あんたのおかげだ
　そうか……
　　　　　　お前達のガテンの魂、胸に刻んだ
　　　　　　私はここでのことを一生忘れない　さらばだっ（退場
　カントク……　オラ達、どんな逆境でも乗り越えて
　　　　　　この炭鉱を国一番にしてみせる　約束するぜぇ！

　

　クックック、今月の生産量は前年比４２％増か
　　　　　　素晴らしい　あぷりコットを派遣した甲斐があったというものだ

　
ではまた

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