ラグナ記

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147回目「バチバチパンチ」

 

 さて、今週の人助けであるが

 そんなセリフは週一回必ず更新できるようになってから言え

 ……まあ、ともかくだ
      北の隣国シュバルツバルド共和国領内のアインブロックという町へ行く
      共和国の工業を支える都市であるらしい
 ふむ、そこに人助けできるところはあるのか

 わからん まあ、まずは行ってみんとな

 ここがアインブロックだ

 げほげほ、ここの空気はひどい さびた鉄の臭いがする

 なるほど、空気が悪いとは聞いていたが、これは想像以上だな

 これでは人を助ける前にわたしが倒れる

 随分と呼吸器系が弱い修羅だな
      ほれ、これをつけろ

 マスクか、助かった

 備えあれば憂い無し、というやつだ

 さすがはポリン仮面だな

 壁も、木も、煤けて汚れている
      こんな町になぜ皆住んでいるのだ
 仕事があるからだろう 工場ってのがあるからな

 工場というのはなんだ

 鉄とか、布とか、いろいろなものを作るところだ

 それは職人が家でやることではないのか

 それを人の手ではなくて機械で大量生産するというのだ

 そんなことができるのか ぜひ、見てみたい

 ふむ、そうか では工場を見にいくとするか

 

 なんだこのおっさん パチパチパンチでもやるのか

 なんだお前等 いきなり無礼な!

 あいや、これは失礼
      我等は旅の道すがら、この町に寄った者
      こちらの工場は実に立派なのでついつい近寄ってしまったのだ
 はっはっは、俺様の工場が立派というのか
      その身なり、お前等ルーンミッドガルド王国の人間だな
 そうだ

 お前等の国は工業化もされていないド田舎だからな
      こんな工場なんてひとつもないんだろう
      お前等から見ればこっちのものは何でも立派だろうよ
 確かにそうだな
      しかし、アインブロックでも一番立派な工場だとお見受けする
 そうかね? はっはっは
      ルーンミッドガルドのヤツにしては見る目があるな
      俺様の工場はこの町で一番儲かっている工場だ
      鐵鋼のシェアは共和国第一位なんだぜ
 それはすごい 一度、中を見てみたい

 んー、それはいかんぞ 企業秘密がたくさんあるからな

 きぎょうひみつ? なんだそれは

 我等は工業化されていない国の人間だ
      どうせ見たって細かいことは全然わからんよ
 ふむ、確かにそうかもしれんが……

 まあ、ただでとは言わん 見せてはもらえないか

 ほほぅ、10万zか
      田舎者にしては結構持っているな
      まあ、見るだけならかまわんよ
 そうか、すまんな
      よし、では工場見学といくか


 わけがわからないが、ともかくすごいところだ 

 なんという生産効率だ
      シュバルツバルド共和国め、これは油断できんな
 こらこら、何を勝手に見て回っている!?

 なんだお前は

 私はこの工場の現場責任者だ
      お前たちこそ何者だ!
 我々は社長の許可を得て入ってきた者だ

 社長の許可? おーそうか、メンテナンス業者だな
      機械の点検が必要だから呼んでくれと言ってるのに
      社長は金がかかるとか言って渋っていたが
      ちゃんと手配してくれていたんだな
      それならそうと早く言ってくれよ
 めんてなんす?

 それじゃあとりあえずアッチの第二コントロールパネルを
      異常がないか見てきてくれんか
 ふむ、第二コントロールパネルか それはどこにある?

 あそこだよ

 よし、みてこよう

 なんでこんな近いのに自分で見ない?

 まあ、いいではないか これも人助けだ

 ん、人助けか そういえば目的を忘れていた

 おいおい、しっかりしろよ
      で、問題のコントロールパネルだが
 なんか電気がバチバチいっている

 異常無し!

 ……そうなのか?

 異常があるなどと言えば修理せよと言われてしまう
      こんなわけのわからん機械を修理なんてできるわけがなかろう
 それはそうだが、それで人助けが成り立つのか?

 見て来いといわれて見てきた 言われたことは果たしたからOKだ

 なるほどそうか 納得した

 第二コントロールパネル、異常無し!

 異常無し!

 そうか、それはよかった
      えーと、あとは第三圧力機からヘンな音が出てるから修理してほしい
      それと中央コントロールパネルの整備だな あれも最近反応が悪いし
 よしわかった、いくぞ

 たのんだぞ、よろしくな

 これが第三圧力機か
      確かに変な音がしているが、修理なんてどうするかな
 ネジが外れかけているところがある

 それを締めなおせばいいのか? うーん、錆付いて回らないぞ

 ではネジをとろう

 ふむ、音が停まった 問題解決だな

 異常無し!

 異常無し!

 次は中央コントロールパネル……これか

 後ろで溶けた鉄がゴボゴボ言っている

 暑くてかなわんな 適当にやってさっさと終わろう
      とりあえず中をみてみるか……
 線とかいっぱいあってわけがわからない

 なんか盤状のやつがバチバチいってる あれを修理するのか

 まどろっこしい こうしてやる!

ドカン!

 おー、殴っちゃったよこの人
      ……すごい、バチバチがとまったぞ
 どうだーい、作業は順調かーい

 異常無し!

 異常無し!

 ……お、中央コントロールパネルの異常、もうなおったのか
      さすがメンテナンス業者だな、
      社長もケチケチせずにさっさと業者呼べばよかったんだ
      いやー、ほんとに助かったよ
 助かったか そうか、それはよかった

 よし、人助け完了だな

 人助けしたあとは気分がいい

 そうだな、では早いうちに次へ行くとするか クックック……

 

………………………………………………………

 第三圧力機のハンマーヘッド部分が落下しただと?

 幸いけが人はありませんが、
      コンベアーの上をふさいでいるため復旧に3日かかります
 くそう、3日もコンベアーが使えないとなると
      その分の儲けはいくらくらいになるんだ……
 大変です、蒸気パイプが破裂しました
      圧力異常が原因のようです
 圧力管理は第二コントロールパネルだろう
      次から次へと、どうなっているんだ!
 中央コントロールパネルが爆発! 火災発生!
      溶鉱炉の鉄が流れ出しました 早く逃げないとっ!
 なんてこった、俺の工場がー!


ではまた

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