ラグナ記

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１９１回目「アルベルタ・アルバイト（前篇）」

　（物陰から）……気になって探してみたが、
　　　　　　こんな田舎町で何をやっていたんだ、あいつ？
　次の目的地はコンロンね
　　　　　　そうと決まれば、ぐずぐずしちゃ居られないわ
　　　　　　急いで向かわなきゃ！（退場
　本当に妙なヤツだ、何を企んでいる？
　　　　　　お前の正体、見極めさせてもらうぜ（追跡

……………………………………………………………………

　過去編になってからというもの、出番が極端に減っている
　　　　　　実に1年半ぶりの出番である！　控えよ　畏れよ　跪けー！
　騎士殿、いったい誰と話しているのかしら？

 
　いや、こっちの話だ　気にするな
　　　　　　して、私を呼びだした理由はなんだ
　あのイヤミな聖堂教会長老が、東部へ異動になったそうよ
 

　長老の任命した聖堂騎士のケイナも王の勅命で
　　　　　　どこかに旅だって行ったな　クックック
　だけど、研究資金が増えるわけでもなく、
　　　　　　古代史研究は進んでいないのです…
　　　　　　そこで、先程手に入れたこのビラです
　何々、アルベルタ港町で骨董市だと？
 

　わたくしの研究には、もっと古代のアイテムが必要なのです
　　　　　　貿易で海外との交流が盛んなアルベルタならば、
　　　　　　貴重な文献が手に入るかもしれません
　　　　　　是非この市に連れて行ってくださいな、騎士殿
　やれやれ

……………………………………………………………………
 

　アルベルタも久しぶりね
　　　　　　でも以前にここへ来た時は、本当は未来なんだから
　　　　　　 「久しぶり」っていうのは変かしら？
　い、いらっしゃいませ〜　カプラサービスです〜

 

 

　あ、カプラの子だ
　　　　　　船便について聞いてみよう
　　　　　　ねぇねぇ、コンロンへの船便はどこへ行けばいいの？
　コ、コンロンですか？　えーとっ、港はここから北へ150mです
　　　　　　オススメ装備はえーっと、えーっと
　港は東のはずだけど…

 
　あっ、そうでした　港は東です
 

　以前はもっとテキパキしてたじゃない、どうしたの
 

　以前？　何のこと？
　　　　　　私は見習い期間が終わって、ここに務めはじめたばかりで…
　おいっ、俺の装備とアイテム、早く出してくれ！
　　　　　　人参30本とミルク20本と、マンゴープリン！
　はいっ、人参300本とミルク50本とマインゴーシュと…
 

　違う違う！
 

　はわわわ……
 

　なんだか忙しそうね　また後で来るわ
 

・
・
・
 

　港を見回ってみたけれど、コンロン行きの船便が無いわね
　　　　　　貿易していないのかしら
　嬢ちゃん、コンロンへ行きたいんか？
　　　　　　あかんあかん　この時代、コンロン船はまだ実装されとらん
　　　　　　この世界はβ２時代やからな〜と誰にともなく説明してみるでぇ
 

 

　ジッソー？　なんのこと？
 

　あーいやいや、こっちの話や
　　　　　　とにかく、コンロンへの定期便は就航しとらんっちゅーわけや
　あたしはどうしてもそこへ行かなきゃならないの
　　　　　　どうすれば船が出るか教えてください！
　船を出すんは漁や貿易のためや
　　　　　　儲けも見込めへんところへ、誰が船なんか出すかいな
　つまり…、お金があればいいのね？
 

　嬢ちゃん、飲み込みがはよぉて助かるわ
　　　　　　危険と言われるコンロン行きの船なんでのは、
　　　　　　この辰五郎商会の交易船しかおまへんで！
　　　　　　船のレンタル料、船員の確保、各種保険料、しめて３00万zenyでどや!?
　さんびゃくまん！　そんなお金持ってないわよ
 

　まぁ、せやろなぁ
 

　馬鹿にしているの!?
 

　慌てなさんな　嬢ちゃん
　　　　　　ただの通行人をからかっとるほどワイは暇やないで
　　　　　　コンロンに行きたいやなんて　よっぽどの事情やろ？
　　　　　　なら、金の儲け方を教えたろ
　ほんと？
　　　　　　『必ず儲かる方法教えます』なんて、詐欺じゃないかしら
　ワイは『必ず』なんて言うとらんよ
　　　　　　儲かるかどうかは嬢ちゃん次第やな
　でも、それならあなたが儲からないんじゃない？
 

　客を育てるのも商売人の仕事や
　　　　　　例えば！　今月のアルベルタでは骨董市が開かれとる
　　　　　　掘り出しモンを見つけられたら、かなりの金になるんや
　　　　　　せやけど、ワイは本業が忙しゅうて、市を回っとる暇は無い
　なるほど、お金になるかどうかはあたし次第
　　　　　　この店は損しないってわけね
　嬢ちゃんは、何があっても金を持ってくるとワイは思うた
　　　　　　金が貯まれば嬢ちゃんはコンロンへ行けるし、ワイは儲かる
　　　　　　ええコト尽くめやないかぁ
　ほんと商売上手ね
　　　　　　でもわかった　お宝を探してやろうじゃない
　それ以外にも、この街には商売のチャンスが転がっとる
　　　　　　頭の使いようやで
　待ってなさいよ　かならず船に乗せてもらうんだから！
 

　あんじょうおきばり〜
 

・
・
・
 

　冒険者が色々と出店しているわね
　　　　　　だけど、どれが本当に価値のあるアイテムなのかしら
　　　　　　こういう買い物って正直苦手だわ
　　　　　　昔、露店詐欺にあっちゃったし…
　あ〜〜う〜〜（ぐったり
 

 

　ちょっとあなた、大丈夫？
　　　　　　なんだか大変そうね
　うわ〜ん　テーリング先輩が首都に帰っちゃって
　　　　　　ひとりぼっちでお仕事なんて　できないよ〜
　　　　　　だぶりゅには才能が無いんだわ　ぐすん
　あなたちゃんと努力してるの？
 

　だぶりゅは見習い研修したもん！
　　　　　　でも全然上手くならないんだもん！　一人でできないもん！
　『努力あっての才能』って言葉、知ってるかしら
　　　　　　続けていれば上手くなるのよ
　カプラの苦労なんて、お客さんにわからないでしょ〜ぷぅ
 

　あら、これでもあたし　カプラ経験者なのよ
 

　本当なの？
　　　　　　私達以外にカプラが居たなんて、聞いたことないよ
　そ、それは、普通のカプラには知らされていない
　　　　　　隠れたお店での営業だからね、あなたが知らないのも無理はないわ
　　　　　　（カプラ喫茶とは言えないわよね…）
　そうだったんですか先輩！
　　　　　　ぜひ、だぶりゅを助けて欲しいですっ
　え、いや、それは・・・
 

　やっぱり　嘘なのぉ〜（ジト目
 

　うっ…　わかったわ　やってやろうじゃないの
　　　　　　カプラの真髄　見せてやるわ！
　わ〜い　やったね♪
 

　（物陰から）カプラだと・・・？
　　　　　　やれやれ、まったく行動が読めないやつだな

ではまた

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