ラグナ記

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197回目「いつか逢う貴女のために」





ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・!!

 旦那様、撤退しましょう

 せっかく取り戻した時計塔であるぞ!
      それをみすみす手放すなどと・・
 ここは放棄されよ、恐らく保たぬだろう

 あんた達はパパのカタキなのよ、逃がすと思っているの?

 愚か者め、貴様も崩落に巻き込まれて死ぬぞ

 邪魔立てするな、魔女め!

 そうよ、わたしは魔女
      自爆魔法で、あんた達を道連れにしてやるわ
 えんこさん!

 まい、ほへい、あんた達を巻き込んだのは私よ
      ・・・ごめんなさい 償いは私の命でするわ
 まい、動けぬほへいを助けられるのは
      もうお前しか居らぬのだぞ
 でも、でも!

 生きなさい!!

 えーと、すごく遠くへ、わーぷぽーたるっ(びゅわ〜ん



 ・・・

 フィゲルに土地を買ってあるのよ
      家を建てて、パパと住もうと思ってたけど・・・まいに譲るわ
      もう必要ないもの
 えんこさん駄目ぇ!

 行くぞ、まい、ほへい

 やぎちゃん、引っ張らないで(退場

 (退場

 えんこ殿、さらばだ!(退場


 ・・・行ったわね

 な、なんとかせよ!

 高位騎士である我に、敵うと思っているのか?

 聞いていなかったのかしら
      私の全魔力で、この時計塔ごと潰すって言ってるの!
 ならば先に切る!

 近づかせるものですか、ファイヤーウォール×3!



 小癪な。だが高位騎士のHPならば突破は容易い!

 そんな事わかってんのよ。ストームガスト!!

 火壁と反応させて、水蒸気爆発だと!

 旦那様、真っ白で何も見えません。これじゃ撤退できない!

 ふんっ、見えぬならば全ての空間を切り刻めばよい。

 しかし、闇雲に斬りつけては反撃を受けますぞ

 フハハハハッ・・・見せてやろう。
      これが亀将軍より賜りし武具の宝庫だ───ゲートオープン



 空中から無数の剣が!?

 私も支援しますぞ。炎よ敵の姿を示せ──サイト!(ピカッ)

 まずいっ

 撃てぇッ!(どしゅ!どしゅ!どしゅ!

 セイフティウォール展開!



 くっ・・・

 ほぅ、瞬間的に魔法壁を作って致命傷を避けたか。
      敵ながら見事である。だが溜めた魔力は消費してしまったようだな
      どうだ、諦めて我が軍勢に加わらないか?
 死んでも御免だわ・・・。つまんない事、訊くんじゃないわよ

 クックック、これは然り。
      ゲートオープン、第2射スタンバイ。
 こやつの剣は無尽蔵か、恐ろしい男よ…

 では終わりだ。撃てぇいッ!(どしゅ!どしゅ!どしゅ!

 きゃああああああああ!!!!!!!!!



 はぁっ、はぁっ、はぁっ

 しぶとい女だ。

 うぅ・・・っ、わたしは・・・負けないんだから

ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・!!

 また大きい揺れが。ギル亀ッシュ殿、急ぎませんと!
 じわじわ、いたぶってやろうと思ったのだがな。
      トドメは我が手で直接下してやろう(ギラリ
 (・・・パパ、ごめん)

(ひゅ〜〜ん、ごつん)

 あうっ! 痛たたた・・・
      どうして天井から、時計塔管理者の部品が降ってくるんだ?
 死ぬがよい!

 どりゃああああっ、スーパーおうめキーック!(ドガッ



 ぎゃぶろぺっ!(転倒

 人も降ってきた

 貴様!? 先ほど爆発で吹き飛んだはずでは・・・

 ヒール!

 アンタ、おうめ・・・なの?

 細かい話は後です、えんこさん。
      今はここを切り抜けることだけ考えて! ほへいとまいは大丈夫!?
 あの子達なら、先に逃がしたわ。
      わたしはパパの仇を討つために残ったのよ
 む・・・ほへいが居ないのは誤算だったわ。正直苦しいわね。
      あたしが前に出ます、援護お願いします!
 ぐぬぬぬ、我の顔を足蹴にしおって・・・小娘ェ!

 あたしの速さについて来られるかしら!(ガキン

 こ、こいつ、死に損ないの分際で!

 何だか分からんが、まとめて片付けてくれる。
      雷撃よ降り注げ!(ドガガガガガ
 凍り付け、フロストダイバー!(ピキーン

 ギャッ、手足が動かん

 ソウルストライク×5!(ドドドドド

 ごばどふぅっ! う〜ん(昏倒

 あぁ、旦那様〜

 ちいっ、役立たずめが

 余所見している暇があるの?
      あんたの相手はアタシよ!(ガキン!ガキン!
 えぇい、ちょこまかと

 騎士様の方が断然速かったわ
      あんた、見た目だけで全然ね!
 ぐおぉ、このままではやられる

 だめよ、油断しないでっ

 ・・・なんてな(ニヤリ
      マグナムブレイク、グランドクロス!(ドドーン
 きゃあっ!

 あまり我をなめるなよ小娘?
      貴様ら2人ではどう逆立ちしても敵わぬと知れ
 これが、パラディンの力だというの

 遊びは終わりだ、全力で潰す。ゲート・・・フルオープン!



 剣、刀、ナイフ、槍、斧、鈍器・・・これって!?

 あいつの能力よ、武器が雨あられのように飛んでくるわ
      もういいから、早く逃げなさい
      あんたにはほへいがいるでしょう!
 でも!

 わたしにはもうこの戦い以外、何も・・・何も無いのよ!
      この悲しみも苦しみも涙も全部、わたしのものよ
      誰にも渡さないわ。
 えんこさん・・・

ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・!!



───えんこちゃん。すまんがここは私に譲ってくれないか。



 この声・・・うそ

 ふむ、5年後のえんこちゃんは妖艶さアップでますます美しいな



 貴様の相手は・・・この私だ

 ば、馬鹿な、貴様は亀忍者が始末したはず

 パ・・・パパなの!?

 おうめと一緒に、時空を超えてきたぞ

 どうやって・・・

 主人公補正を舐めるなよ。私こそラグナ記の主人公。
      オイシイ場面は私の総取りなのだ!
 パパ・・・パパ・・・!

 任せてくれ、えんこちゃん。すぐに片付ける

 クックック・・・ハッハハハハハハハハハハハハ!!!!
      生きていたならここで始末するまでだ!!!
      貴様をこの手で殺せる喜びに、我は打ち震えている!!!
 ふん、ほざくがいい
      (空中に浮いている刀剣武具は・・・恐らく射出型の技だな)
 騎士殿、急いでくださいませ。空間が歪み始めています!

 おっといかん。

 向こうに見えるのは、・・・人間のマリアさん?

 おうめ、時間がない。バックアップを頼むぞ

 は、はい!

 フンッ(ガキン

 この我が、一瞬で懐に入られただと!?(ガキン



 見た目が派手なばかりで鈍重だな。
      接近してしまえば後ろの武器は使えまい。
 ぐっ、速いだけしか能がないくせに。
      我が剣で挽肉にしてやる!(ブンッ
 力まかせの攻撃は剣で華麗に受け流すっと(シャキン

 うまいっ

 だけど繊細な剣さばきは、精神力を消耗するのよ。
      持久戦に持ち込まれたら不利っ、疲れてしまうわ
 はっ!(ガキン) はっ!(ガキン)
      やはり最後にモノを言うのは、純粋な力なのだ!
 むぅ!(ガキン

 こうしちゃいられない、魔力集中開始───

 ふんっ、愛鳥ササミよ!

 クエーッ!(どーん



 ごばぁ!

 違うな。最後にモノを言うのは頭脳だ。

 ひ、卑怯だぞ

 私は貴様と力比べをしに来たわけじゃない。
      えんこちゃんを護りに来たのだ
 パパ・・・格好いい

 くっ、これ以上は魔力が保たないですわ
      騎士殿、早く・・・
 旦那様しっかりしてください(ぺちぺち

 ううん、ここはどこだ

 騎士です!リンゴの騎士が復活しました!

 なんだとっ!? ここで会ったが100年目!
      電撃を喰らえ!(バリバリバリ
 うぉっと

 隙あり、マグナムブレイク!(ドーン

 しまった、距離を取られた

 武具よ、我が敵に降り注げ
      撃てぇーッ!(どしゅ!どしゅ!どしゅ!どしゅ・・・


 カウンターアタック!(ドガガガガガガガガガガ・・・



 全ての攻撃を正確に相殺している。
      なんて無茶苦茶なの!
 見事だおうめ、破ッ!(ズバッ



 ぐわあぁっ

 パパ!

 騎士様が勝ったわ!

 くそおっ、ここは退くぞ

 し、しかし・・・

 塔の揺れも収まっています。逃げましょう旦那様!

 だが、まだ負けたわけではないぞ
      次の計画を早めるだけだからな、ふはははは(退場
 覚えておれー(退場

 置いていかないでー(退場

 パパ、逃がして良かったの?

 あぁ、私もそろそろタイムオーバーのようだ

 騎士殿、もう5分を過ぎています
      こちらの時空間固定魔法も・・・限界です・・・
      ひずみの修正が、始まっていますわ
 マリアさんの身体が毛むくじゃらに!?

 きっと、時空干渉によるペナルティでしょうね
      獣の身体では、もう時空転移魔法は発動できないでしょう・・・
 あたしのせいで、ごめんなさい

 これは私の学術的興味から勝手にやったこと。
      貴女が気に病む必要はありませんことよ



 パパの身体が消えていく・・・

 もう、過去の世界へ戻らなければな

 パパ・・・もう会えないの?

 ・・・

 イヤ、そんなのイヤよ・・・(ぽろぽろ

 私はいつだって、えんこちゃんを助けに来る
      だから、さよならは言わない
 パパ、ありがとう

 愛しているよ───(消失

 パパーッ!!



ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・







 やれやれ、なんとか大仕事が片づいたな。
      マリアよ、帰るぞ・・・ってなんだ、この犬コロは?
 ・・・がぶっ

 痛てェ!

 わたくしを、犬と呼ばないように

 うーん、薄々気付いていたのだが、
      やはりお前はマリアなのだな・・・
 時空の扉を開くとき、結界を張ったのだけれど、
      力不足だったようですわね。罰が当たったみたい
 そうか・・・すまない

 何を謝ることがありますの?
      これはわたくしが勝手にやったこと。
      新しい研究テーマが出来て、嬉しいぐらいですわ
 強がるな。お前の身体を元に戻せるアイテムを
      私が探してやる・・・何年かかってもな
 ・・・おばあちゃんになる前に、お願いしますわ

 さて、帰るか。
      ところで何しにこんな所へ来ていたんだっけ?
 さぁ、思い出せませんわね
      記憶がぼんやりしていて・・・





 はっぴぃにゅうにゃあ〜 は〜じめましてぇ
      ガブって甘噛み やるせな〜い♪
      迷い猫ロリルリちゃん、地獄からお散歩来てみたよっ
 まぁまぁいらっしゃいませ、我が主がお待ちですにゃん
      私は天仙娘々(てんせんにゃんにゃん)と申しますにゃん
 にゃにゃ!? こいつ、猫口調が被っているにゃ!ライバル出現にゃ!

 負けませんにゃん!荒ぶる鷹のポーズ!(ビシッ

 猫なのに鷹なのにゃ? トリ肉は大好きにゃ♪

 あぁ、トリだと猫に食べられてしまう。私の負けですわ・・・

 にゃにゃーん 勝ったにゃー!

 勝敗の基準がようわからんが
      人間の次は死神とは、近頃はまったく騒がしいのぅ。
      死神の娘よ、何の用できたのじゃ。
 やふぁに聞いて、ヘビの王様に会いにきたのにゃ。

 あいにくだが黒蛇王様は軽々しくお会いできるようなお方では・・・

 にょろ〜ん、お客人がきてるにょろ?
      ご用件はなにかにょろん。



 だーかーらー! 軽々しく出てきちゃダメですってば!

 でかいヘビだにゃ〜

 これはこれは、おいしそうな子猫ちゃんにょろね(ペロペロ

 うっ、舐めないで欲しいにゃ(ぞわっ

 まったく黒蛇王様は・・・
      死神よ、さっさと用件を話せい
 さっき、大きな魔力のゆらぎを感じたにゃ。
      おうめがちゃんと未来へ帰ったのか、
      この世界の魂供給量の調整者として確認に来たのにゃ
 あれは確かに時空転移。
      全ては元に戻り、余の新しい観測の日々が始まるにょろ
 世界の流れを眺めるのが

 主様のお仕事なのよ〜

 ロリルリちゃんは、毎日魂を刈ってお仕事しているのに、
      見てるだけだにゃんてズルい! ワーキングプアは嫌だにゃ!
 それが余の大事なお仕事であり、楽しみにょろ〜

 だったらこの時代のおうめ達に、
      未来の出来事をネタバレして、めちゃくちゃにしてやるにゃ
 それは止めた方が良いにゃん

 歴史へ強引に干渉すれば、世界から修正を受ける
      それは、死神とて例外ではないぞ
 先ほど、あの学者も犬の姿になってしまったにょろ。
      もし、お前も余の楽しみを邪魔するのなら・・・
 するにょなら・・・?

 魔法でタダの猫にして、丸飲みにするにょろ〜ん

 言わない言わない、約束するにゃん!
      食べないで欲しいにゃ〜〜〜!
 ジ・エンドにゃん♪








 さて、暇になっちまったな
      これからどうしようか?
      あいつみたいに、人助けってのも悪くないな
      ・・・ところで、あいつって誰だっけ?
 アユタヤ行〜
      アルベルタ発アユタヤ行の船が出るぞ〜
 船に乗って、しばらく世界を旅してみるか
      おっさん、一人頼むぜ
 よしきた、乗りな!







 ただいま、おじいさま

 おかえり。どこへ行ってたんじゃい

 どこだっけ。アルデバランの・・・塔まで。

 そうか、それは疲れたじゃろう。
      ゆっくり休むといい。
 ・・・

 どうしたね

 おじいさま、この家ってこんなに広かったっけ?

 いつもと変わらんぞい

 僕、誰かがもう一人居たような気がするんだよ。
      大事な人が・・・でも、思い出せないんだ
 (そうか、もぅ記憶が・・・)

 全然思い出せないんだよ。
      なのに、その人の事を想うとこんなにも胸が苦しくなるんだ。
      おじいさま、僕どうかしちゃったのかなぁ
 ・・・夢かもしれんし、そうじゃないかもしれん。
      じゃが、ほへいが感じている気持ちは、夢じゃない。
      ならば旅に出ることじゃ。世界に問うてみることじゃ。
      自分で答えを探すといい
 旅に・・・

 あと1年したらルティエを出て、ゲフェンの街へ行きなさい。
      あそこは王国の冒険者が多数交流しているという。
      きっと、良い導き手が見つかることじゃろう
 はい、わかりました!

 (おうめちゃん、これで良いんじゃな・・・)



───そして1年後───



 よーし、ゲフェンにやってきたぞ。
      ここには強い騎士様がいると聞いたから、
      絶対弟子にしてもらうんだ!
      ・・・でも、誰に聞いたんだっけ?

ほへいその後


ではまた

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