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ラグナ記
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１９９回目 「フェイヨンに散る！」
 食料の手配はこの計画書通りにお願いします
あと、城壁の弱い部分の近くには土嚢を用意しておくようにして下さい あいよっ！ 任しときなそひぃちゃん！
さあ、私は皆の夕食を用意しなくては…… ごほごほ
 お姉さま、最近あんまり寝てないし、すこし休んだほうが……
休んでいる暇などありません
アルベルタを占領した外国軍がフェイヨンにやってくる前に
できるかぎりの準備をしなくてはいけません
それはそうだけど……
それに、村の皆があんなに頑張ってくれているのです
私だけ休むなんてわけにはいきません
そひぃちゃん…… さすがはオラたちの代表だ
よーし、皆の衆 もうひと頑張りいくぞー！
皆さん、ありがとうございます……
 ……
 あー なんか悲壮な感じやったなぁ あんなんで大丈夫なんかぁ～
まあ、あかんやろな
えー 旦さんそんなヒドイこと言うたらあかんでー
ヒドイもクソもあるか あかんもんはあかん
お涙頂戴で勝てるくらいやったら世界はいつでも平和やでぇ
ううー しかしリンゴの騎士も殺生やなぁ
援軍のひとつも寄越したったらええのにぃ～
騎士のやつな 公にはなっとらんが、どうも行方不明らしいで
えー 旦さんなんでそんなん知ってるん～？
商売の基本は情報力やからな
そういう情報は常にあちこちと交換しとる
ヘー すごいなぁ～ さすが旦さんやなぁ～
そんな他人事みたいに言うとったらあかんで ほんまにもう……
 お、商人やないか 久しぶりやな！
おー辰五郎はんやないか
あ～ 旦さん、この人はだれやぁ？
ジブン、辰五郎はんも知らんのか アルベルタ一の大店の旦那や
それくらい覚えとけ！
へぇ～ そのオーダナの旦那がこんなところで何してんねやぁ
ははは、なかなか無礼でおもろいお嬢ちゃんやなぁ
まあ、まだモノをよう知らんので、堪忍したってや
しかし、アルベルタの件は大変やったな
そうや、あのカブキとかいうヘタレ忍者め
ワイとこの店を「拠点にするでござる」とか言うて占拠しやがったんや
そんなら今はオーダナの旦那やのうて無一文なんかぁ？
別にアルベルタだけで商売しとったわけやないから大丈夫や
しかし、アルベルタの商権を失うんはキツイな
騎士団の連中も普段偉そうにしとるくせに役に立たへんし、まったく
……そやったら取り返したったらええんや、ワシらの手でな
なんやて？ どういうつもりや！？
まあ、耳を貸せ アレをこうしてな……（ごにょごにょ
あーん 旦さんのいけずぅ ウチにも教えてやぁ～
……………………………………………………………………
そひぃのねーちゃん、アルベルタの敵軍が動き出したようや
いよいよ来ましたか……
お姉さま……
むにぃ、恐れることはありませんよ
この日のために皆で準備をしてきたじゃありませんか
さあ、行きましょう 私は皆の指揮をとらなければ……
あんたでは戦闘の指揮は無理やな
旦さん、こんなときにそんなん言うたらあかんでぇ
私はこのフェイヨンの代表です
フェイヨンの未来についての責任は全て私にあります
その私が指揮を執らなくてどうするのですか
あんたはそうやってなんでも抱え込むのが良うない
責任者の仕事はただ一つ、負けたときに腹を切ることだけや
しかし……
できもせんことをやるより、後ろでドーンと構えとったらええ
ワシに策がある まあ、任せとき
 敵拠点が見えました フェイヨンです
 あれがフェイヨンか
我が故郷の龍之城に似ているな
 あんな町、またわしの睡眠ガスでイチコロじゃ
 よし、アマツ忍者隊出撃でござる
  承知！
アルベルタと同じく
忍者隊が催眠ガスを使ってくるのではないかしら
そんなもん 判りきったことや
同じ手は二度と通じへん 対策は練ってあるでぇ
対策ってなんなのー？
おう、むにぃちゃんよ 城門の上に登って手ぇ振ってみてくれ
えっ、こ、こう？
そうそう あの偉そうな旗がたっとる辺りに向かって
なるべくにこやかな顔でやったって
あ、あれは…… 待つでござる ストップでござるー！
ストップでございますか？
敵は目前ですが、いかがなさいました？
アレを見るでござる
ムナック娘が手を振っておりますな それが何か？
フェイヨンには拙者の愛しの君、むにぃちゃんがいたんでござった
そこに睡眠ガスを撒いて攻略するなんて
そんなヒドイことできないできないでござる
は？ そんな事で攻撃中止？
口ごたえをするな！ 我等は忍びの者、上忍の指示は絶対だぞ！
ぬぬぬ、承知仕った……
忍者隊、何をやっている！ 何故攻撃しないんじゃ！？
むにぃちゃんがいるのに攻撃なんて出来ないでござるぅ～
ふざけるのもいいかげんにしろっ！
動かぬものは仕方ない
大体毒ガスなどという卑怯なやり方は好みではない 正攻法で攻めるぞ
我等龍之城勢の武勇を見せてやる！
敵軍がきたぞー
皆さん、城門を死守してください
上から矢でも石でも落としまくれ
ちょっとの辛抱や 堪えてくれやっ
ちょっとの辛抱？ なんかアテがあるのかな？
もちろんや、そろそろお出ましのハズやで
･･･ほれ来たでぇ
ヤファちゃんコッチや 油揚げはコッチやでぇ～
 まって～ アチシの油揚げ～！
あ、あれは守り神様
皆の衆、おキツネ様じゃあ
おキツネ様がワシ等を守りに来てくださったぞ～
 なんだ、敵の士気が急に上がったようだぞ
今でてきたあの娘が原因か？ キツネみたいな格好しているが
おい、あの娘…… ぱんつはいてない……？
なんだと おい、俺にも良く見せてくれ
こら、俺の双眼鏡だぞ やめろ、放せっ！
お前たち、何をしている 前進せんか！
いや、しかし こんな貴重なシーンはなかなか見られませんし……
あの娘は潤いのない兵役従事の俺たちに
感動というものを思い出させてくれたんです
太守様にはそれがわからないのですか！
バカな事を言ってないで、さっさと攻撃を開始しろっ！
敵は混乱してるみたいだよ～
油揚げっ♪ 油揚げっ♪
これもウチの陽動のおかげやなぁ～
旦さん、ほめてほめてぇ～
うん、ようやったようやった
えへへ、旦さんにほめられたでぇ～
すぐ調子乗りおってからに･･･
さて、そろそろ仕上げや
よし、オラたちが打って出る番だな
おキツネ様のご加護もあるし、負けねぇぞぉ！
お待ちください いくら今は相手が混乱しているからといって
敵の兵力は私たちよりはるかに多いのですよ
実は、そうでもないんやなぁ これが
えっ、それはどういうことですか
王国からの援軍もないのに？
援軍は来るんや 別のところからな
別のところ？
来たみたいやでぇ こっちも突撃やぁ
おーっ！
ええか皆の衆 ここでアマツと龍之城の連中をいてこましたるんや
勝ったらボーナスはずむでぇ！
  
   よっしゃ、稼ぐぞー！
ゼニの力は恐ろしい こいつら見てるとつくづく思うのぅ
敵軍後方より突撃！ 一点突破や！
うわっ、こんなところから敵が来るなんて
奇襲、奇襲だー！
おらおら、こちとらゼニがかかっとんじゃー！
くそう、なんて勢いなんだ
フェイヨンの連中も出撃してきたぞ
オラたちの村はオラたちが守る！ 行け行け押せ押せぇい！
これでは挟み撃ちではないか
ええい、押し返せ アマツ忍者隊は何をしている！？
はぁ～い♪（手をふりふり
むにぃちゃん、拙者はこっちでござるよ～♪
カブキ殿 このままでは敵に包囲されてしまいます
ぬぬぬ、ここらが潮時でござるか
どうせむにぃちゃんとは戦えないでござる 撤退でござる～
カブキ忍者め あれほどの馬鹿とは思わなかった
なんか大変そう みんながんばれー
ぱ、ぱんつはいてない（ぶしゅ～
よっしゃ、今や！ 一発かましたれぇ！
カートレボリューションやでぇ！
うわー
だめだ、支えきれない
味方は総崩れだぞ どうしてくれる
どうもこうもあるかっ！
アルベルタへの道は我々が封鎖した
貴様等に帰る場所などないんや 降伏せぇ！
本陣にまで敵が！？ もうだめじゃ 降伏じゃあ～
腰抜けめ まだ勝負はついてはおらん
我が青龍偃月刀の切れ味を見せてくれる！
敵の本陣に突入だ 手柄は俺のものだ！
下郎！ここはお前たちの来る場所ではない 散れぃ！（ザシュ
うわっ（バタッ
くそっ 味方が！
私は武林の国の太守だ
貴様等が幾らかかってこようと負けはしない！
あいつが大将やな
大将倒せば一番手柄やでぇ それいけぃ！
あの偃月刀、なかなかの業物だな
むむむ…… 金のために命までは捨てられん
志の低いヤツらめ！ 誰も行かないならこの俺が行く！
オークだと！？
俺の名はフランツ 将来オークロードになる男だ
お前を俺の英雄伝説の第一歩にしてやるぜ
豚顔が何を偉そうにほざくか！ 身の程を知れぃ！
……
いくぞ 俺のパンチを受けてみろ！
そんな力任せの攻撃では私は倒せん
相手を見る眼がない奴は長生きできんぞ おりゃ！
ぐっ、やばい！
とどめだ くらえっ！
……（ガキィン！
くそっ 邪魔をするな！
これは俺の勝負だ 手を出すな！
フン 身の程知らずめ 犬死したくなければ黙っていろ
太守殿、次は私がお相手しよう
オークの次は剣士か 一次職の分際で生意気な奴だ
青龍偃月刀の錆にしてやる！
……（カチャリ
両手剣…… 貴様はＡＧＩ型か
軟弱なＡＧＩ剣士など、我が一撃に耐えられまい
青龍偃月刀を受けてみよっ！（ガッキーン
フンッ
避けただと？ 貴様、タダの一次職ではないな
名を名乗れ！
 名前か、そうだな
私のことはMr.キシドーとで呼んでもらおうか
Mr.キシドーだって･･･ あーエロゲにそんなのいたなぁ
え、それってどんなやつ？
ほらほら、こういうの
あー、「まじこい」だっけ？
へー、エロゲキャラの名前を名乗るなんて破廉恥なヤツだなぁ
今度アニメ化されるし、言ってみたくなっちゃったんだろうな
うるさいぞ外野め！ 元ネタはソレじゃないだろ！
何処を見ている 貴様の相手は私だ！
我が渾身の一撃を食らうがいい！
おお、すごい攻撃じゃないか さすが武林の太守殿だな
しかし、当たらなければどうと言うこともない
おのれ、いま一太刀･･･
残念だったな これで終わりだ（ザシュ
ぐはっ この、私が敗れるとは……（バタッ
クックック、他愛もないヤツめ
武勇を誇るのはいいが、上には上がいる事も知っておくべきだったな 見事や キシドー殿、あんたが一番手柄や
うおお、あんたやるな おれは感動した！
それはどうも
あんたみたいなすげぇ奴は初めてだ
頼む、兄貴と呼ばせてくれ！
やめてくれ……
見事な太刀筋やった とても一次職のそれとは思われへん
ボーナスは弾みまっせぇ！
敵の大将はここかぁ～？ あれー もうおわっとるなぁ～
おうよ、我等が兄貴がやってくれたぜぇ！
兄貴と呼ぶな……
皆様のご尽力のおかげで、フェイヨンを守る事が出来ました
私、もうなんと言っていいか……（涙
お姉さま、しっかり！
やぁやぁ辰五郎はん 意外と早よう片付いたなぁ
おう、調度今この剣士殿が大将を討ち取ったところや
ホンマ見事な立ち合いやったでぇ
……
ほー それはご苦労やったなぁ
……あーお前、こんなところで何して……もがっ
それ以上言うな！
なんやぁ～ その剣士はんがどないかしたんかぁ～
……
私は首都へ行く
事情が知りたければついて来るがいい
何をえらそうに…… まあええ、ついてったろうやないか
話は後でゆっくり聞かせてもらうでぇ
あーん、旦さんもうどっか行くんかー まってぇなー
お、俺もついていくぜ、兄貴！
おい、お前等どこ行くねーん！ ボーナスまだ払っとらんぞー！
あとで貰いに来る それまでとっておいてくれー！
そんな細かい事言うて、けち臭いやっちゃなぁ～
ではまた
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