ラグナ記

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83回目「ほへいとぼんごん」

80回目の続き

 よくわかんないけど、これからお世話になります
      よろしくお願いします〜
 あああああぁ こんなかわいい少年が私のものだなんて!
      しかもお世話だなんてどうしようどうしよう んーんーんー
      こんなことやそんなことやあんなことまでお世話して……ふひゃぁ〜
 あの、先生? 弓の稽古には行かないんですか?

 あ、ほへい君 そうだ、私はほへい君という人がありながら
      なんてことを考えてしまっていたのだ
      あぁ、私は罪深い人間だー!
 ん? どうしたんです?

 ふひゃあ〜 その小首をかしげる仕草がたまんない
      どっちもかわいぃ〜 選べない〜
      どうしたら、どうしたら……ふひゃひゃひゃひゃひゃ〜っ!
 ねえ、この人どうしちゃったの? なんか病気?

 先生は時々なんかおかしくなっちゃうんだよ
      命に別状ないからそっとしといてあげるといいんだって
 へぇ〜 そうなんだ

 しょうがないから僕ひとりで弓の稽古に行ってくるけど
      ぼんごん君も一緒に稽古する?

 だから弓の稽古はいらないよ〜

 ん〜 そっか アーチャーじゃないんだもんね
      でもいいや 一緒に行こっ
 うんっ

 

……………………………………………………………

 えい、やあ、やあっ

 そ、そうかなぁ(照れ

 うん、なかなかだよ
      でもあんまりがんばりすぎるのもよくないし、とりあえず……

 いいねいいね〜 ちょっと一休みしよう

 うんうん、ゆっくりマイペースが一番だよ

 ところでー、ぼんごん君は弓を習いにきたわけでもないのに
      どうして先生のところに来ることになったの?
 えーと 僕、さらわれてきたんだよ

 えっ!

 僕の住んでた村に悪い騎士がやってきて
      おねーちゃんと僕を無理矢理連れてったんだ
      で、その騎士が僕を弓の先生さんにあずけたんだよ
      よくわかんないけど「ひとみごくー」なんだって
 そうなんだ 悪い事訊いちゃったね ごめん

 えっ? ムナックのおねーちゃんって
      もしかしてむにぃちゃんの事?
 うん、そうだよ おねーちゃんの事知ってるんだ

 そっか むにぃちゃん、さらわれたんだ……

 あの騎士さえ来なければ僕は大好きなおねーちゃんといっしょに
      今までどおりに暮らしていたはずなのに……
      騎士なんて、騎士なんてみんな悪い奴だ!
 きっ、騎士ならみんな悪い人って事はないよっ!
      僕が剣士だったときに弟子入りしたお師さまは
      ホントに立派な騎士なんだ
      厳しいとこもあったけど、実は僕の事いつも心配してくれてて
      僕がアーチャーに転向するって決めたときも
      怒らないどころか、弓の先生まで紹介してくれたんだ
      騎士にだっていい人はいっぱいいるんだっ!
 そ、そっか…… ごめんね

 あ、いや、僕のほうこそごめん 言いすぎたかな
      ……あっ、しまった これはまずい
 どうしたの?

 ちょっと油断してる隙に敵に囲まれちゃったよ
      なんとか撃退しなきゃ
      ……うぅ、数が多すぎる、むりだよぉ
      くそう、頑丈な剣士だったときなら
      こんなやつらいくら来たって大丈夫なのに……

 弓手になったのはほへい君の意思でしたことでしょ
      今さら剣士だったらなんて言っちゃダメだよ
 ……うん、僕は弓手だ 立派なアーチャーになるんだ
      こんなヤツらになんて負けないぞーっ!
 そうだ、その意気だよ うん

 やったよ 敵をほとんどやっつけたよ!

 すごいすごい!

 かっこいいだなんてそんなこと…… 僕照れちゃうよ

 照れることなんてないよ ホントかっこいいよ

 えっ、好きって……


ではまた

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