ラグナ記

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95回目「騎士暗殺計画」


 クックック そちは愛い奴じゃのう

 あら、イヤですわ 御隠居さまったら

 よーし、いつものアレでもやるかな フフフ
      帯を引っ張るぞー それー
 あーれー お戯れをー(くるくる

 よいではないか、よいではないか ハッハッハッハッハ

 

 おのれぇ、余の可愛いこしもとちゃんをよくも……
      本当なら帯を引っ張るのは余の役目なのに
 殿、腰元だけではござらぬ
      城下からも騎士の悪行が次々と報告されておるでござる
 なんとっ! そは誠か!

 ははっ まずはこちらをご覧下され

 微動だにせず屹立する城の門番に対し
      後ろからひざかっくんをするという凶行に及んだでござる
 ひざかっくん…… この門番は後ろに人が立っても
      まったく動かずに突っ立っておるのか?
 ははっ 誠に任務に忠実な男でござる

 かの騎士が城に突入してきたとき
      この門番は何をしておったのだ?
 もちろん 微動だにせず屹立しておったでござるよ

 ……まあよい 次はなんじゃ?

 城下のいたいけな少女になにやら接近しておったのでござる

 んー、それはそんなに問題にすることなのか?

 なにを言ってるでござるか
      昨今は小中学生をいきなり連れ去って
      いかがわしい行為を行おうという変質者が増えておるのでござる
      城下の少女たちの性が、今まさに危険にさらされておるのでござる
      あんな可愛い少女がロリコン騎士にキズモノにされてしまうなんて
      拙者には耐えられないでござる
      そんなことになるくらいなら、いっそのこと拙者がこの手で……
 ロリコンは貴様のほうだろうがっ!(ずびしっ

 あたっ 扇子で叩くなんて痛いでござるよ

 うるさいっ! 次だ、次!

 つ、次でござるか

 港で観光客のお出迎えをしているミスアマツのお尻を
      怪しげな手つきで触ってる写真でござる
 なんと! この天津のアイドル そして余の心のアイドル
      ミスアマツこと蛍ちゃんのお尻を触るなんて!
      蛍ちゃんはトイレにもいかないのに
      神聖にして犯さざるべきものなのに
      薄汚い手でお尻を触るなんて、なでまわすなんて
      そんなことが許され訳がない あろうはずがないっ!
 いや、トイレに行かないことはないんじゃないかなぁと思うでござる

 うるさいっ! だまれっ!
      やはりなんとしてもあの騎士を除かななければならぬ
      カブキよ わかっておるな!
 えー また拙者がやるでござるか〜
      危ないのはイヤでござるよ〜
 その方、何のために余に仕えておるのじゃ
      ごちゃごちゃ言わずにさっさといけぃ
 も〜 しょうがないでござるねぇ
      次のボーナスは弾むでござるよ〜

 前回は大見得切って派手に登場したから失敗したでござる
      こっそり後ろから襲えばいいでござる
      そーっと、そーっと……
 ………

 しめしめ、気付いてないでござる
      よし、一気にいくでござるよ〜

 いつもより多めに回ってるでござるっ
      超高速竜巻回転……

 爆殺火炎撃でござるよっ!
      ……あれ、当たってないでござるか?
 当たるわけあるか
      あれだけ喧しく大仰な技の名前叫びながら
      無意味にグルグル回ってたら誰でも気付くわ
      攻撃は必要最小限の動作で、声を上げずに叩き込む!

 ぐはぁっ なんてことでござるか
      拙者は技が派手なほうが強いと思ってたでござるのに……
 ふん、意味もなく派手にして、それが何だというのだ
      さて、二度にわたって私に楯突いたその罪は重い
      覚悟してもらおうか
 ひぃっ 命だけは勘弁して欲しいでござるよ

 そうか、では助けてやる

 へっ? 助けてくれるでござるか?

 うむ、たすけてやる
      そのかわり、私に跪き、許しを乞え
      そして我が下僕となることを誓うのだ

 命が助かるなら何でもするでござる
      騎士様に忠誠を誓うでござる
 こらー そんなにあっさり裏切るなー

 カブキよ、あの五月蝿いハゲをつまみ出せ

 ははっ かしこまりましたでござる

 これはハゲじゃない 髷を結うために剃ってるだけだ!
      ってこらカブキ、主君に逆らうのか! 離せ、やめろ、うわーっ!

 結局、私の帯を引っ張る人が代わるだけなのよね


ではまた

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