ラグナ記

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番外「剣士の育て方@ 〜剣士になるまで〜」

 

 あ、あの、騎士さん

 ん? なにかね 少年よ

 で、弟子にしてください
      強い剣士に、そしてクルセイダー(重装歩兵)になりたいんです

 弟子!? ふむ、まあよかろう
      今から私はお前の師匠だ
      仰げよ畏れよ跪け

 はい、ありがとうございます よろしくお願いします(土下座

 うむ、良い心がけだ
      では、まず呼び名をきめねばならんな
      重装歩兵志願と言うことなので
      とりあえず君を「歩兵」と呼ぶことにする よいな
 はい、お師さま 僕歩兵です

 お師さまか、なかなか良い響だなぁ うんうん
      ではまずVIT(体力・防御重視)型と
      AGI(速度・回避重視)型のどちらかのタイプを選ばねばならん
      VIT型の特色は遅くて固いことだ
      速さなどという物とは無縁
      敵の攻撃を回避などせず全部食らって
      それでもその鋼鉄の肉体で耐えしのぎつつ
      ゆっくりと敵を殲滅していく、という戦い方になる
      死ににくいとは思うが、敵を倒すのに時間がかかるな
      一方のAGI型は回避能力こそがその身上
      敵の攻撃をひらりひらりとかわしつつ速攻で敵を殲滅する
      ただ、敵に囲まれると回避能力が著しく低下する
      どちらも一長一短であるな

 あの、お師さま 僕、重装歩兵志望だから……

 ああ、そうであったな では選択の余地無くVIT型か
      では 重装歩兵目指してがんばれ

 はいお師さま 頑張ります

 えー まず剣士にならんといかん
      とりあえずその辺のポリン殴ってレベルを上げれ

 はいお師さま ポリンを殴ります
      
      あ、あの…… 経験値が1ずつしか入らないから効率悪いです

 ではもっと強い敵を殴ればよかろう
      経験値多いから効率上がるぞ

 そんなの無理です 僕弱いから……

 ならば装備を整えよ
      腕力の無さは武器でカバーだ

 僕、お金が持ってないんです
      
      倉庫の料金すら事欠くくらいで……

 ふむ、では町に出て物乞いをしてまいれ
      よくノビスの少年少女が「なんかください」と
      道端でチャットを出しておるではないか
      恥を忍び、誇りを捨て、地面に這いつくばって
      持てる者の慈悲を乞うのだ

 いや、あの 僕そんなことは……

 こりゃこりゃ そういじめたりなさんな
      騎士の奴に弟子入りしたんやったら
      ワシの弟子になったも同然や
      歩兵よ、ワシが装備くらい何ぼでも用意したろ
      精錬ブレイド+8で攻撃力を増強や
      普通のより16も攻撃力が高いんやで
      ついでにあまっとるウサ耳と蝶の仮面もくれてやる
      金に糸目はつけへんでぇ

 吝嗇家の商人にしてはずいぶんと太っ腹だな

 何言うとんねん ワシはいつも太っ腹やで
      それにどうせ今ある金は課金後には持って行かれへんのや
      今つことかな損やろ

 なるほどな…… 歩兵よ、課金寸前でよかったなぁ

 あ、ありがとうございます
      でも頭装備はなんか変
      これ、別にいらないんじゃ……

 あほぅ 見た目なんかどうでもええねん
      攻撃力つよなったやろ 何の不満があんねん
      グダグダ文句言うんやったら返してもらうで

 ごめんなさい 商人さま
      ウサ耳も仮面もかっこいいです ステキです
      きっと僕、女の子にモテモテです

 あはは さよかさよか
      喜んでもろてなによりや
      んじゃ、あんじょう気張りや またな

 ふん、甘やかしよって
      私の若い頃はナイフ一本で延々と
      ポリンやウサギをひたすら倒してレベルを上げたというのに
      そんなことだから今の若い者がダメになる……

 あ、あのお師さま お話の途中ですが
      僕、どこに行ったらいいのですか?

 うむ、そうだな
      ノービス後半たる今の強さならバッタが適当だろう
      人の背ほどもある面妖奇怪なバッタが
      首都の西方と南西に跋扈しておる
      あのような巨大バッタを野放しにしていては
      大切な農作物が被害を受けるやも知れぬ
      歩兵よ 人様の役にも立つ戦いだ
      一層奮励努力せよ!

 はいお師さま 一層奮励努力してバッタを撃滅します
      
      わー、すごい どんどんレベルが上がる〜

 そりゃまあ、経験値はポリンの20倍だからな
      さあ、歩兵よ レベルも上がったし
      いよいよ剣士になるときが来たな
      伊豆に行って参れ

 伊豆? 温泉にでも行くのですか?

 愚か者 首都プロンテラの衛星都市イズルードのことを
      世間では「伊豆」と呼び習わしておるのだ
      そこに剣士協会があるから そこに行って転職して来るのだ

 はいお師さま 行ってまいります
      あ、あの 受付のおじさんが怖いです……

 これから屈強な剣士になろうという者が何を言っておるか
      さっさと話し掛けんか!

 は、はいぃ
      あの、すいません 僕、剣士になりたいんですけど
      あ、はい OKですか ありがとうございます
      
      お師さま 僕、剣士になれました 剣士になれましたよ!

 ああ、ジョブレベル10で剣士協会に行けば誰でもなれるな

 うぅ せっかく喜んでるのに……

 これから先には今までの何倍もの苦労があるというのに
      何をのん気なことを言っておるか 
      でもまあ、曲がりなりにも剣士になったのだから
      それに相応しい装備をくれてやろう ありがたく使えよ

 あ、ありがとうございます

 何を偉そうに言うとるんや
      用意したんはワシやろうが!
      ……まあええ 大事につこうてや

 商人め こんなときだけいい人ぶりよって
      まあよい、今日のところはこれまでだ
      続きはまた後日

ではまた

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