ラグナ記

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１７２回目「あぷりコット、極める」

　ヒャハハハハ　俺たちコボルド盗賊団！

　犬が群れてやってきた

　さっきはよくもやってくれたな
　　　　　　俺たち盗賊団に逆らうヤツは皆殺しだぜ
　よくもやってくれたのは、お前達の方
　　　　　　青梅をいじめる犬コロには、お仕置きが必要
　また犬って言ったな！

　そうだ、犬じゃないワン

　また犬語出てるぞ

　しゃらくせえ、殺っちまえ！

　遅いっ（ドカバキ

　いてて、コイツ強いぞ

　妙な拳法を使いやがる

　馬鹿野郎、なんのために俺たちが群れてるのか考えろ
　　　　　　モンクは一対一には滅法強いが、囲んじまえば弱ェんだよ
　弱い犬ほどよく吠える

　うるさい！おら囲め、囲めェ！

…………………………………………………………

　あのっ、あたし今すぐ転職したいんです
　　　　　　ローグにしてください！
　どこで聞いてきたのか知らないが、帰りなさい
　　　　　　ここはお子様が来る場所じゃないよ
　お願いします
　　　　　　あたし、強くならなきゃいけないんです！
　駄目だめ、さぁ帰った帰った

　話も聞いてもらえないなんて…
　　　　　　そうだ、デビ姉にもらった紹介状があったんだ
　　　　　　これを読んでください！
　はぁ〜、紹介状だって？
　　　　　　言っておくけど、ローグは誰にも縛られない自由な者さ
　　　　　　貴族様の紹介だとしても、贔屓はしないよ
　アタシの知り合いで、別に偉い人ってわけじゃ…

　ま、見るだけなら見てやるよ、どれどれ
　　　　　　（『わたしの妹分だ、よろしく頼む』）
　　　　　　一行だけ？　どんな紹介状だよ
　　　　　　えーと、差出人は…………・・・・・！！？？
　どうしたの？

　ちょっとっ、これ本物なの!?
　　　　　　どうして「ソグラド砂漠の紅い疾風」が
　　　　　　こんな子供に紹介状を書いてるわけ？
　？？

　・・・あの人の紹介なら仕方ない、転職させてやろう

　なんだかわからないけど、ありがとう

　だけど贔屓はしないよ、ちゃんと試験は受けてもらう

　望むところよ！

　ローグとは自由人だ
　　　　　　しかし、自由に生きるためには力が必要だ
　　　　　　その力量があるか、試させてもらう
　それが試験ね

　実技試験は単純だ
　　　　　　ここの地下道を通って、出口まで辿り着けば合格だ
　え、そんなのでいいの

　ただし、中にはモンスターがいるからな
　　　　　　途中でやられても、誰も助けはしない
　　　　　　自分一人で切り抜けろ、それがローグ試験の掟だ
　　　　　　お前の力を示せ
　わかった、行って来る！

…………………………………………………………

　くっ…

　やっぱ戦いは数だぜ、兄貴！

　くっくっく、ここまでのようだなモンクの女

　兄貴、こいつ喰っていい？　喰っていい？

　さっきの小っこいのも一緒に捕まえちまおうぜ

　こいつより小っこいのの方が肉が軟らかくてうまそうだな　ヒャハハ

　小っこいのとは、青梅のことかっ！
　　　　　　青梅のことかあああああああああああっ！！！
　ヒャハハハハ……　ん？　何か様子がおかしいぞ？

　はああああああああああ！！！！

…………………………………………………………

　この試験は、一人だけで頑張らないといけないんだ
　　　　　　早くクリアして、転職して、ほへいを追いかけなきゃ

　さっそくミイラが出たわ
　　　　　　けど、あんた達の相手をしてる暇なんて無いのよ
　　　　　　すたこらさっさ〜

　うわぁ、囲まれちゃうっ
　　　　　　隙間をくぐり抜けるわよ！

　ええぃ、バックステップ！
　　　　　　いっぱい修行したんだもん
　　　　　　この足に着いて来られるなんて思わないでよね

…………………………………………………………

　はああああああああああ！！！！（ギュイン

　これが・・・拳を極めし阿修羅の姿だ

　な、なんかヤバいワン！

　あ、慌てるな、あんなの見かけ倒しだ

　試してみろ
　　　　　　鉄拳！　三段掌！（ドカバキ
　キャイン、痛ぇよ兄貴！

　フラッシュピストンマッハパンチ！（ドカバキグシャ

　キャウーン！

　ひるむな、さっきみたいに囲んでしまえ！

　くっくっく、これでも戦い続けられるかワン？

　手っ取り早く、片付ける

　な、なんだあれは!?

　ま、まさか・・

　ふんっ

　ぎゃー！

…………………………………………………………

　やったわ、出口に着いた

　戻ったわよ！

　こんな短時間で地下道試験を踏破するとは…
　　　　　　さすが「ソグラド砂漠の紅い疾風」が推薦するだけの事はある
　　　　　　いいだろう、ローグギルドへの加入を認めるよ
　やったあ！

　よく頑張ったね
　　　　　　これからは自由に生きるんだよ
　ありがとう、じゃああたし行きます！

ではまた

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