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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第三話

「でっかい学校だね〜。それにキレイだし。」

「・・・・・・そうね。」

校門から校舎までの道は両脇に木々と茂みが植えられていてイイ感じ。
時間が早いせいか、生徒はあまり歩いていない。
この学園は、わりと広い敷地の中央に校舎があり、その他にもちらほら建物が見える。
ところどころ桜の木が立っていて見事に咲き誇っている。

奥に見える芝生で昼寝したら気持ちよさそうだな・・・
なんて考えてたら雪姫はすたすたと校舎に向かってしまう。

「ちょ、ちょっと待ってよ。そんなに慌てなくても時間はあるってば。」

「・・・・・編入扱いだから、事務室に寄らないといけないのでしょう?」

「あっ!忘れてた。事務室を探さないとね。」

「・・・・・・。」

うぅ、一本取られた・・・。

 

事務所は昇降口の近くにあったのですぐに見つかった。
闇姫様を疑ってたわけじゃないけど、ホントに編入したことになってるようだ。
正直なところ、ちょっとドキドキしてたんだよね。
私は2年D組、雪姫は2年A組らしい。私は三階、雪姫は二階だ。
階段を二階まで来て雪姫と別れる。

「それじゃ、また後で。何かあったらケータイで連絡してね。」

「・・・・・・(こくり)。」

そう、闇姫様は準備の良いことに二人に携帯電話まで用意していたのだった。。

 

 

〜2−D・将姫〜

教室についたけど、まだ誰も来ていないようだ。
そりゃそうだよね、だって学校が始まるまで20分以上あるんだもん。
ちょっと早く来すぎたかな。
とりあえず、窓際の一番後ろの席にカバンをおいて外を眺めてみる。
この窓からはさっき通ってきた校門から校舎へ続く並木通りが見える。
人通りはさっきより増えているけれど、まだ少ない。
怪しい奴はいないかと歩いていく生徒の姿を眺めることにした。

「なーんて、見てるだけでわかったら苦労しないんだけどな・・・」

独り言をつぶやいてしまったけれど、他にすることもない。
しばらく見ていると人通りが徐々に増えていく。
教室もだんだんと人が増えてきて、
今は知り合い同士で固まって思い思いにだべっているようだ。
にぎやかになってきた教室の様子をうかがっていると、
一人の男子生徒がこちらに近づいてきた。
スラリと背が高く、少女マンガに出てきそうな中性的優男だ。けっこうカッコイイかな。
・・・いや、私の好みじゃあないけどさ。

「キミ、転校生じゃない?」

「え?私?そうだよ。よくわかったね。」

すると、この生徒は「ふっ」と爽やかな笑顔を浮かべて

「二年生にしてはカバンが妙に真新しかったし・・・
 それに、キミのようなかわいい子が去年からいたなら気づかないはずないさ。」

・・・どうもワタシを口説くつもりらしい。やれやれ。

「あはははっ!キミっておもしろいね。どこの芸人さん?」

目の前の彼は一瞬ピクッと顔を引きつらせたが笑顔を崩さない。思ったより打たれ強い。

「は、はははっ・・・・そういうキミもおもしろい子だね。
 僕は杉浦祐治(すぎうらゆうじ)、よろしく。キミは?」

「私は・・・えっと・・・御劔翔子だよ。
 こちらこそよろしく(あんまりよろしくしたくないけどね。。。)」

杉浦君はまた何か言いかけたけど、チャイムが鳴って先生が入ってきたので
「じゃ、また後でね!」とか言って席に戻っていった。
はぁ・・・。幸先いいわ、こりゃ。

 

To be continued...

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