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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第十七話

 

〜校内・将姫&雪姫+おじさん〜

別の階段を目指して三階の廊下を駆け抜ける。
ったく、いつからこの学校はお化け屋敷になったのさ。
階段にたどり着くと、三人の生徒がいた。
よくみたら理奈と部長さん、そして部室で見かけたことがある、二年生の男の子だね。

「理奈!」

私が声を掛けると三人とも相当驚いたようだが、すぐにこっちを確認してホッとしたみたい。
理奈が駆け寄ってくる。

「翔子〜〜〜!何がどうなってるの!?」

「私にもよくわかんないよ・・・それにしてもどうして演劇部が校舎に?」

私の質問には部長さんが答えてくれた。なんか顔色悪いけど、大丈夫かな?

「わたしたちはちょっと図書室に用があってね、三人でこっちにきたのよ。そ・・・そしたら・・・」

そこまで言って部長さんがへたり込む。

「部長!」「先輩!大丈夫ですか?」

演劇部の二人が部長さんに駆け寄る。

「だ、大丈夫・・・ははっ・・・さっきの、ちょっとショックだったみたい・・・」

しゃがみ込んだまま部長さんは続ける。

「で、さっきね、三人で図書室にいって本を探してたの。
 そしたら突然全部の本棚から本が飛び出して・・・飛び交いはじめたのよ。。。」

他の二人もそのことを思い出したようで、青ざめている。

「で、ビックリして三人とも図書室から飛び出したのね。
 そ、そしたら廊下のスプリンクラーから・・・」

そこで部長さんはいったん身震いした。

「ス、スプリンクラーからブワッと髪の毛みたいなのが吹き出してきて・・・。
 もうわけもわからず走って、あっちの階段を下りようとしたら今度は・・・」

あぁ・・・この人達もあの少女の幽霊と出会ったのか。

「それで、こんどはこっちの階段の前まで走ってきたところで息が切れて一息ついてたわけ。
 ・・・他の人たちは別の階段に行ったみたいね、あんまりいなかったし。」

「いったいなんだってのよ・・・」

理奈もけっこうまいっているようで、しゃがみこんでしまった。

「い・・・異界化だ!学校が異界化してしまったんだ!!!」

なんか男の子の方は錯乱気味だ・・・大丈夫か?

それを見て理奈がうんざりしたように言う。

「佐伯ぃ・・・アンタ、ゲームのやりすぎだってば・・・おちつきなさいよ・・・」

どうやら佐伯君と言うらしい。

「う、うるさいなぁ。そうじゃないと説明つかないじゃないか。」

そう言うと彼もかがみ込んでしまった。

「ん・・・んん・・・・」

背中から声がする。おぶってたおじさんが目を覚ましたみたい。
私はおじさんを下ろして肩を揺すってみた。

「おじさん、大丈夫ですか?」

自分でやっといて大丈夫もへったくれもないけどね・・・。

「んん・・・・ん?ここは・・・?」

「ここは三階の北西の階段前だよ。」

「ん?あっ!?出られたのか?」

「うん・・・出られたことは出られたんだけどね・・・。」

「どうしたんだい?」

なんて説明すればいいのやら。

「・・・とにかく校内の様子がおかしいので一階まで降りてみましょう。」

「あ、あぁ・・・わかった。」

おじさんに手を貸して立ち上がらせると
私は一緒に階段付近でうずくまってる三人に近づいた。
ちょっと疲れているみたいだけど、大丈夫だろう。

「雪姫・・・いこうか?」

私は脇の窓際で外の様子をうかがっている雪姫に声を掛けた。
そして雪姫がこちらを向いたその時。
ガシャーーンと音がして目の前が真っ暗になった。
・・・防火シャッターが下りたのだった。
くそっ、分断された。あっちは私たちの様子がわかるっていうの?
私はシャッターをガンガンと叩いて雪姫に声を掛ける

「雪姫?大丈夫?聞こえる?」

「・・・・聞こえるわ。」

「オッケー、とにかく下を目指すわよ。」

「・・・・わかったわ・・・一階で会いましょう。」

「気を付けてね。」

「・・・姉さんも。」

思ったよりやっかいなことになってきたね。

「矢部さん、大丈夫かしら・・・?」

理奈を初め、みんな心配そうにしている。
おじさんなんかシャッターを叩いて声を掛けている。

「いいか、大丈夫だからしっかりするんだぞ〜、ちゃんと下を目指すんだ!」

・・・いい人だ。

「あの子なら大丈夫、見た目よりずっと強い子だから。さ、私たちも下を目指そう!」

みんな無言で頷いて階段を下り始める。
あ〜あ、今度は変なのがでませんように。

 

To be continued...

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