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著:ショウさん(@愚者の書庫)  絵:えもん氏

真闘姫 〜THE GIRL'S STRUGGLE FOR EXISTENCE〜 

 

第二十一話

 

〜校内某所・?〜

D「まわりくどくなってしまったけど、なんとか二人だけにできそうですね。

  ・・・歓迎の準備は出来ていますか?」

A「はい、私が今のところ制御できる持ち霊の中では一番強力なものをいつでも解き放てます。

  かなり扱いは難しいですけれど・・・。」

D「わたしも、呼び出せるかぎり一番強力な悪魔を召喚しました。

  『本物の』姫達にどれぐらい通用するのか・・・楽しみですね。ふふふっ。」

A「・・・・・・。」

 

〜校内・将姫〜

眠ってしまったみんなは残してとにかく五階に向かうことにする。
雪姫のことだからあまり心配はないと思うのだけど、やっぱり気になる。
私は急いで階段を駆け上がった。
最後の階段を上っていくとシャッターが閉じている。おいおい、マジ?
村正を呼び出して切り裂いてやろうかとも考えたけど、
後々のことを考えるとあんまり校内で破壊活動するのもまずいかなぁ。
つか、さっきのドアもどうしようかな。。。
私が少し躊躇していると
シャッターの横にある扉みたいになっているところがぼんやり光り始めた。
こっちへ来いって事かな?・・・行ってやろうじゃないの。
私は村正を呼び出してドアにそろそろと近づいていった。
何も起こる様子はない。仕方がないので取っ手の部分に手をかけたその時。

「へ?!うわぁぁっ!!」

突然ドアが向こう側に勢いよく開いて廊下側に投げ出されてしまった。
なんとかコケずに体勢を保ったが、私を放りだしたドアはすぐに閉じてしまう。
ちっくしょう・・・。毒づいていると声をかけられる。

「・・・姉さん?」

雪姫だ。やはりというか、無事ではいたみたいだ。

「よかった、無事だったのね。ま、大丈夫だとは思ったけどさ。」

雪姫はこくりと頷く。

「で、アンタがここにいるってことはやっぱり他のシャッターも閉まってるわけ?」

またまた雪姫が頷く。やっぱりそうか。
さてさて・・・ここはホントにシャッターを切り裂くしかないのかな。
なんて考えてたら、突然嫌な気配が漂ってくる。
雪姫も気が付いたようで、かすかに顔をしかめて弓矢を召喚した。
私たちは背中どうしを合わせて静かに気配を探った。
気配がどんどん濃くなっていく。
突き刺すような、すさまじい殺意と憎悪だ。
背筋に冷たいものが走る。

・・・来るっ!

私の真正面にある廊下の突き当たりにぼぅっと数体の人の姿が浮かび上がる。
向こうが透けて見えるので、おそらく霊体だ。
その数1,2,3,4,5・・・たくさんいる。
しかもみんな右の肩から左の脇腹まで斜めからちぎれたように無かったり
胸から下が無かったり・・・とにかく体の部位のどこかがちぎれている。
苦悶のうめき声がガヤガヤと騒がしい。
どんな死に方すればこんな霊が集団であらわれるんだよ・・・。
そして、次に後ろの方、雪姫にとっての正面の方にも邪気が感じられたので振り返ると、
白いスーツに身を包んだ金髪碧眼のスラリとした美青年が立っていた。
男は優雅に一礼するとしゃべり出した

「はじめまして、お美しいお嬢さんがた。いやはや、醜悪なバケモノですな・・・。
 いかに主人の命令とはいえ、このような輩と一緒に呼び出されるとは不愉快極まりない。
 ・・・おっと、申し遅れました、わたくしめの名はアンドラス。
 地獄では侯爵の位を授かっております。
 さっそくではありますが、 我が主人の命により死んで頂きますよ・・・クックックックックッ・・・」

非常に人を不快にさせる笑い声を立てながら、
男はカラスの翼と頭を持つ人型のバケモノに姿を変えた。
手には炎に包まれた剣が握られている。
これはちょっとやっかいかもね。
おぉ〜〜し、久しぶりに暴れてやるか。

 

To be continued...

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