ラグナ記

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196回目「時空をかける少女」


 集え、炎の輝きよ───
      受けてみてパパッ、これが私の全力全壊!
 くっ、手足が動かんっ、これは拘束魔法<バインド>!?

 スターライト・・・じゃなくて、
      ロード・オブ・ヴァーミリオーン!!!!(どごおおおおお



 ぎゃあー







 まだ一次職なのに、ヴァーミリオン撃つとは・・・
      ムチャクチャだ・・・
 どこかの9歳に比べりゃまだマシなほうよ

 えんこちゃんを忘れていたわけじゃないんだ。
      私にも公務というモノがあってだね・・・
 ふんっ、なにが公務よ。
      こちとら全然出番が無いってのに!
 い、いや、私だって長らく出番なかったし

 あのマリアって人と、どっか行ってたんでしょ?

 そ、それは、王命で出張していただけだ!
      パパにやましいところは、断じて、これっぽっちも!
 おかしいなぁ…どうしちゃったのかな
      ラグナ記の正ヒロインはわたしなのに、
      肩書きだけで、出番が無いなら意味ないじゃない
      少し、頭冷やそうか・・・(キィィン
 し、真打ちは最後に登場するっていうお約束だ
      ラグナ記の正ヒロインはえんこちゃんに間違いない!
 そう? そうよねー、やっぱり。
      うふふ、パパとのデート久しぶりだから
      少し、はしゃぎ過ぎちゃった♪
 (やれやれ、相変わらずえんこちゃんは可愛いなぁ
       しかし、あのおうめというのが言っていた私はあと5年でという話、
       どういうことなのだ・・・)
 パパどうしたの、怖い顔しちゃって?

 いいや、何でもない。少し考え事をしていただけだ

 こんな美少女を前にして、考え事だなんて失礼ね
      私への愛が足りないんじゃないかしら
 すまんすまん、そんなことは無いよ
      パパの愛は、無限大さ
 じゃあ、プレゼントが欲しいな〜

 はっはっは、パパはそこそこお金持ちだから何でも買ってあげるよ
      うさ耳がいいかな、それとも新しい杖にしようか
 そうね・・・わたしお屋敷が欲しいわ
      綺麗な丘の上に、1000坪ぐらいの豪華なやつ!
 なるほどね・・・ でもそれは今すぐというわけにはいかないかな

 え〜、パパの甲斐性なし
      えんこ、パパと一緒にそのお屋敷に住みたいな(上目遣い
 うむ・・・

 ねぇパパ。今すぐじゃなくていいの。
      いつかえんこの夢、叶えてくれる?
 ・・・叶えよう。きっと豪邸を用意しよう。
      そうしたら、その時は・・・
 楽しみにしているからね、約束よ(ちゅっ







 やれやれ、これじゃ早々死ぬわけにはいかんな。
      運命とやら掛かってくるが良い、ねじ伏せてくれよう。
      この騎士の命、安くはないぞ──

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 よし、今日の特訓はここまで!

 ありがとうございました

 すばらしいわ、おうめちゃん
      短期間で太刀筋も魔法制御も見違えたわね
 そ、そうかな・・・(照

 よう、特訓の成果はどうだ、小娘。
      少しは出来るようになったか?
 対人戦を想定した組み手を一通り、な。

 魔力制御もばっちりですわよ。

 東京特許許可局東京特許許可局東京特許許可局!

 ほら、これでどんな魔法の詠唱もバッチリ。すごいでしょ!

 ・・・ほんとに大丈夫なのか、これ?

 噛まなければ、どうということはないわ!

 ならば私に撃ち込んで来るが良い

 行きます! やあああっ!(ガキン

 そんな軽い攻撃など!(ドカッ

 くっ、まだまだァ!

 おうめ、力に力押しじゃ駄目だぞ

 回り込むッ、高速攻撃で翻弄するわ(シュシュシュ

 パワーが駄目ならスピードというつもりか?
      残念だが、私はスピードもあるのだよ(カキンカキンッ
      力も速さも及ばぬ相手、さぁどうする!?



 砂まき&マグナムブレイク!(どざーん

 うまい、煙幕の張り方がスムーズになっていますわ

 そうだ、それでいい。どんな手でも使って来るがいい!
      ぬ、居ない・・・?
 (・・・・・)

 煙幕の瞬間に、バックステップして消えた。
      トンネルドライブ(隠密行動)だ
 どこだ・・・どこにいる?

(ザッ)

 足音が聞こえたぞ、そこだ(シュバッ!
      ・・・手応えがない!?
 誰もいませんわ!

 撹乱の為に投げた「石」の音さ

 バックスタブ!

 そこかぁっ! オートカウンター!



(ガキィィン!)

 ・・・ふむ、ここまで。
      さらにできるようになったな、小娘。
 おうめちゃん、良かったわよ

 はいっ、ありがとうございます!

 まぁ及第点といったところだな。
      だが決死の踏み込みでは、直後の反撃には対応できん。
      お前は生還することを第一と心得よ
 はいっ!

 しかし、出発前に騎士である私と手合わせしたいというのは
      一体どういうつもりだったのだ
 こっちの時間に来る前、目の前に逆毛の騎士が居たの。
      むこうに戻るのが同じ場所の同じ時間なら、
      きっとそいつはそこに居る。
 なるほど、そいつとの戦いの予行演習というわけか。

 仲間がそこに残ったままなの。ほへい、まいちゃん、えんこさんも

 えんこちゃんがそこにいるのか・・・

 おうめ。修行はここまでだ。

 あたし、まだやれる もっと特訓しなきゃ

 だめよ、おうめちゃん
      時空転移が起こるまで後1日でしょ。
      身体を休める時間も必要。これ以上の修行は意味がないわ。
      里へ戻って荷物を整えていらっしゃい。
 おうめ、このまま時計塔へ行っても構わないが、
      心残りがあっちゃ、100%の力では戦えないぞ
 わかりました・・・お別れしてきます

 では、明日の8時前、アルデバラン時計塔に集合だ
      遅刻するんじゃないぞ
 そういう騎士殿が一番心配なのですけれど

 それじゃあ!(退場

 ・
      ・
      ・・・・なぁ、あいつ来るかな?
 来なければそれでも良い。
      この時代に残る方が幸せかもしれんからな。
      明日までに自分で決めればいいことだ。
 でも、来ますわよ、必ず。

 そうか・・・そうだな。
      それじゃあ、明日アルデバランで(退場
 さて、我々も準備を進めるとするかな。

 えぇ、そうですわね

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 久しぶりのルティエだけれど、
      ツリーの飾り付けが立派になったわね
      店長のイベントプロモーションは順調みたい




 た、ただいま〜

 おねえちゃん、お帰りなさい!(抱きっ

 あんっ、もう甘えん坊なんだから。
      冒険者になるのなら、もっとしっかりしなさいよ
 だってボク、お姉ちゃんいなくて寂しかったんだもん

 ほっほっほ 元気そうじゃのう
      その顔は、どうやら答えを掴んだようじゃな
 ・・・はい



 良い良い、話は後にしよう。
      まずはゆるりとくつろぎなさい。
      ここはお前さんの家でもあるのだからね
 ありがとう





 お姉ちゃん、お風呂が沸いたから入ってね

 ありがとう。

 せっかくじゃから、わしが背中を流してやろう ウヒョヒョ♪

 それは遠慮します。
      ねぇほへい、一緒に入らない?
 えっ、ボクもう子供じゃないから一人で入れるよ
      冒険者になるため毎日トレーニングもしているからね、えっへん
 まぁ生意気ね。でも今日は一緒に入ってほしいな

 ・・・ほへい、おうめちゃんは疲れておるのじゃよ
      背中を流してあげなさい
 うん、わかった





 ふぅ、いい湯加減

 おねーちゃん、入るよ〜

 えぇどうぞ、一緒に浸かりましょう

 わぁ、二人で入るとお湯が一杯だよ
      前はあふれなかったのに、どうしてかな?
 それは、身体がだんだん成長しているからよ
      ま、ほへいはまだまだお子様だけどね
 そんなことないよ ボクも色々大きくなってるんだから。
      ほら見てここ、太くなっているでしょう?
 ほんとだ、前よりも太くて、硬くなっている
      男の子ってすぐに大きくなるのね
 触ってみてよ、ちゃんと鍛えているんだからね

 どれどれ・・・む、なかなか逞しいわね(むにむに

 あふっ、くすぐったいよ

 いいじゃない、もっと触らせなさいよ
      ここは柔らかいわね(ぷにぷに
 だ、だめだよぉ

 こ、こりゃ!それ以上はいかんぞ!
      ラグナ記に年齢制限を付けるつもりか!?
      ・・・って、何しとるの?
 なにって、ほへいの二の腕をぷにぷにしてるんだけど

 あ、そうなの。
      いやわしはてっきり・・・はっはっは、誤解じゃったな
 はっはっは、じゃないわよ、なに勝手に入って来てるのよー!

 失敬、それじゃあごゆっくり

 バカッ、エロジジイー!

 眼福、眼福(退場







 いやぁ、すまんかったの。事故じゃよ事故。

 あやしい・・・

 わしなりに気を利かせたつもりじゃがのう。
      もうここへは返って来られない、そうじゃな?
 ・・・はい。あたし未来へ戻ります

 そうか、良かったの

 今日はお別れを言いに来たんです。
      だから明日の早朝には、ここを発ちます
      長居すると、辛くなるから・・・
 今夜はほへいとの時間を大切にしなさい

 お爺様、ベッドの準備ができたよー

 ん、わしは先に休ませてもらうとしよう、おやすみ(退場

 おやすみなさい

 おやすみなさい、お爺様

 あたし達も寝ましょうか

 うん










 (すやすや)

 (夜明けまで1時間。そろそろ出よう)

 ん〜むにゃ

 (さようならほへい。またね)

 ・・・うぅん





 さぁ行くわよ

 お姉ちゃん、お出かけするんだね



 はっ!? ほへい・・・起きていたの

 お姉ちゃんはどこへ行くの?

 ・・・。

 どうして僕を置いていくの?

 今のほへいには解らないけれど、
      あたし、あなたを助けにいかなくちゃいけないの
 僕はここにいるよ、ここにいるのに!

 遠い世界にいるあなたの事よ。きっと守ってみせる

 難しくてわからないよ・・・

 いつか、わかる日がくるわ

 ・・・

 ・・・大丈夫よ。
      さぁお眠りなさい、これは夢なのだから
 うぅん・・・むにゃ、ねむ・・い・・







 行くかね

 こんな早朝に、見送りありがとうございます

 ほっほっほ。サンタじゃから夜に強いだけじゃて

 本当にお世話になりました

 餞別に、何かプレゼントをやろう。
      おうめちゃんには、まだ配ったことが無かったからの
 うぅんいいの、もう十分貰ったわ
      ここでの生活は、本当に暖かくて、楽しかった
      だから今は何もいらないわ
 ほっほっほ、欲のない娘じゃの。
      ま、必要になったら遠慮なく言っておいで
 未来に戻れたら、きっとまた会いに来ます(退場

 そなたの行く道に、白銀の祝福を───

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 全員揃ったな

 えぇ、準備万端ですわよ

 いつでも行けるぜ

 では、今からの予定を確認する。マリア、説明してくれ

 はいはい、説明は私の得意分野よ〜

 タイムリミットがあるからな、手短に頼む

 今から、時計塔ダンジョンに突入します。
      塔を取り巻く魔力が最も強まるのは、正午。
      時計塔管理者が出現するのは、おそらくその時間帯よ
 モンスターと戦いながらでも、1時間もあれば行けると思うわ

 お前はこの時代の時計塔に入った事がない。
      万全を期すべきだろう
 未来へ戻ればそこには
      が待ち構えているんだろう
      お前は、時空転移直後の戦いに集中するのだ
 時計塔最奥まで、わたくし達があなたを送り届けますわ
      体力の消耗は最小限に。
 みんな、ありがとう・・・ございますっ

 では行くぞ! おうめに指一本触れさせるな

 おぅさ!(突入





 ・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 目的の部屋は、上階にあるようだ。
      物陰に潜んでいるミミックや、ライドワードに注意せよ
 おうめさん、道順は分かりますか?

 えぇと、前に入った時は、通気口から侵入したんです。
      この辺りは見覚えがありません。途中まで行かないと。
 よし、階段があった。上へ進むぞ





 ・・・。







 うほうほ♪

 ぬ、兄貴がたくさん居るな。
      地上階には生息していない筈だが・・・
 まだ時計塔は未実装ですもの
      モンスターの配置も整理できてないんでしょ
 冷静に分析している場合じゃないぜ、魔剣共のお出ましだ!

 この大群はさすがに想定外だ。まともにやりあってなどおれん。
      パーティを分割する。おうめとライオン仮面は先へ進め
 騎士様はッ

 ここでこいつらを足止めする。
      マリアがいればこれくらい、どうということはない
 後から必ず追いつきますわ、さぁお行きなさい

 ぐずぐずするな、突破するぞ(走

 わかりました!(走



 やれやれ。主人公として、オイシイ役回りはいただくが、
      数が数だ。これは骨が折れるぞ。
 うふふ、格好付けたかったんですのね。

 フン、だが負ける気はないぞ!
      私は運命とかいう輩さえ打ち倒すと決めたのだからな
 ・・・あら?

 ・・・(走

 ちょっと君、危ないですわよ!
      子供が行ってしまいましたわ、大丈夫かしら
 ノービスが無茶しとるな(ガキンッ
      っとそれどころじゃない、支援してくれ!





 リンゴの旦那が時間を稼いでいるうちに、急げ

 うん、あたし騎士様を信じる・・・!

 おうめ止まれ!

 敵ッ!? うわっと

 よく気付いタナ



 ジョーカーだ
      そいつに四方から挟まれると、抜け出せないぞ
 お前達も、札に閉じこめてアゲる
      みんなで一緒に遊びマショう
 行け、おうめ。ここは私が食い止める。

 でも一対四なんて無茶よ!

 お前はここへ何をしに来た! 簡単に目的を見失うんじゃない!

 ・・・約束して、必ず生き残るって

 私がこんなところでくたばると思ってんのかよ
      お前こそ、未来に着いたらちゃんと挨拶に来いよ
 うん。また会いましょう、デビ姉!

 逃がすと思ってイルのか?

 トンネルドライブ(隠密行動)!(消

 ぐぎっ、どこへ隠れた

 おぉっと、手前ェの相手はこの私だ
      正体がばれてるんなら、もうマスクをする必要もないな(脱ぎ
 おうめへの借りはここで返す

 追いつかなきゃ・・・(走

 美味しそうな人間がまたヤッテきた
      この坊やから先に札にしてアゲましょウ
 なんで子供がここに!? おい逃げろガキ!

 死んだフリ───(倒)

 動かなくナった、つまらナイ

 ───ダッシュ!(走

 あっ、待テ、逃ゲルナ

 ひゅー、やるねぇ♪

 くやシイ、くやシイ

 よそ見してんじゃねえよ。かかって来な
      お前の相手は最初からこの私「ソグラド砂漠の紅い疾風」だ!







 あの時とは道順が違うわね。
      迷路みたいな場所に入ってしまったわ
      あの部屋へ急がないと・・・
 お姉ちゃん、確かこっちの方に行ったはずだ
      でも道が複雑で、なかなか追いつけないや
 ん? 今ほへいの声が聞こえたような・・・
      いいえ、こんなダンジョンにほへいがいるわけないわ
      気のせいよ、気のせい
 お姉ちゃんは、一体どこへ行くんだろう?
      この目で確かめないと。ボクもついて行かなきゃ───










 ようやく辿り着いたわ。この部屋に見覚えがある!
      迷路に手間取ったけど、時間ギリギリってところね
 みんな、あたしを行かせるために、戦ってくれている
      大丈夫かな・・・うぅん、きっと大丈夫
      あたしは、目の前の事だけに集中するんだ!
 さっきよりも、部屋に魔力が満ちている・・・

 ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・

 ───来るッ!

 ドーン!



 ガガガ・・ピ・・ギゴ・ガガガ

 時計塔管理者。
      そうよ、あのとき自爆したのよね
 ウィーン、ガギ・カタカタカタカタ・・ギギ

 ほとんど壊れているけど、大丈夫なのかしら?



 !? 羅盤が光っている
      これをかざせばいいのかな? うわっ


ビュワーン


 この時計型魔法陣は、時空転移のしるし!

 ・・・・・・(時空転移



 時計塔管理者が消えた!
      未来へ戻ったんだわ。
      よし・・・それじゃあ、あたしも未来へ
 待って! 行かないでお姉ちゃん!!

 ほへい、どうしてこんな所に!?

 お姉ちゃんを追い掛けてきたんだ、一人で。

 あちこち擦り傷だらけじゃない。
      危険な真似して、おじいさんを心配させちゃだめ!
 だってぼく、お姉ちゃんと離れたくないんだ!
      なのに勝手に出ていくなんて、理由だって解んないよ!



 だめよほへい、こっちに来てはいけない。
      あなたは、この時代を生きなければならないの
 いやだ、いやだよ
      僕も連れて行って欲しいんだ!
 来ちゃ・・・駄目よ
      あたしだって───離れたくはない
      一緒にいたいのっ!(ぎゅっ
 おねえちゃん(ぎゅっ

 悲しいけれど、これが最後じゃないわ。
      だから、笑顔でお別れしましょ。

 (ちゅっ)


 お、お姉ちゃん(ぽっ

 これ、笑顔のおまじないよ。
      こんなサービス、めったにしないんだからね!
      泣いてたら許さないわよ。
 うん、わかった・・・

 この続きは未来でしましょ。いつかまた必ず会える・・・
      それまでに、ちゃんと強くなっておくのよ 
      あなたは騎士様の弟子になるの。きっと強くなるわ。
      そしたら、あたしを守ってね・・・離れて!(どんっ
 お姉ちゃ────ん!!
 ゲートに突入するっ!


 ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・

 いそげマリア、始まっておるぞ

 研究者として、このイベントを見逃すわけにはいきませんわ

 (騎士様、ほへいを頼みます───)

 ああぁ・・・お姉ちゃんが消えちゃう・・・

 離れろ、巻き込まれるぞ小僧(ぐいっ


ばしゅうぅぅ・・・

 あぅ・・・(がくり

 強力な魔力にあてられて、気を失ったようだ
      どうやらおうめの知り合いだったようだな
 とりあえず、部屋の隅に寝かせておきましょう





 揺れが収まった。おうめは時空転移したようだな
      これ以上、用はない。離脱する!





 あら、あなたは離脱されませんの?

 そういうお前もな

 わたくしは学術的興味があって残っているだけですわ
      でも、あなたは違うでしょ
 この向こうではえんこちゃんがピンチなんだろ?
      
 やっぱりね、ちょっと妬けちゃうなぁ・・・
      しょうがありませんね、時空の扉をもう一度開いちゃいましょう。
 すまない・・・
      しかし、時空の扉を開くなどと、そんなことができるのか?
 ふふっ、知っているでしょう。わたくしは───

 天才なんだろう、聞き飽きたぞ

 ノンノン ───"超"天才、ですのよ♪
      先程から、この部屋を包むように結界を展開しています
      今から5分間、外部からの影響は一切遮断されますわ
 では頼む

 時空転移が起こった直後は、まだ空間が安定していない。
      そこにこの超天才、マリア様が大魔力を注げば
      人為的にゲートを開けるはずですわ!
 ピピルマ ピピルマ プリリンパ
      パパレホ パパレホ ドリミンパ
      アダルトタッチで 時空の扉になれーっ!



 あの呪文はミンキーモモだな。
      アダルトタッチって、お前さんもともと大人じゃないか・・・
 心はいつでも魔法少女なんですわよ、うふふ。
      ミュージカルがあるんですけど、一緒に観に行きませんこと?
 恥ずかしいからヤダよ。


ではまた

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